治療をスタートするとどうしても希望を持ってしまう。
確率とか、可能性とか、頭の中でグルグル考えて妊娠検査薬に手がのびる生活は覚悟しなければいけない。
かといって、治療しなくても子供が欲しい気持ちは変わらないし、できることはしておきたい性格上、自然に任せるという選択はない。
希望をいくら持っても結果に伴わないということはわかってる、でもそれしか今の私の原動力になるものはない。
希望や期待が大きいほど落胆も大きいから、もしも、この先治療をスタートして3ヶ月、半年、一年と妊娠できなかったら、どうしよう。あの出産が人生最初で最後の出産になってしまったら・・・、
そんな想像をするととてつもない恐怖感に襲われます。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)