4/13の採卵日
卵胞は8個見えていて、何も疑わずに採卵に挑んだわけですが、
麻酔から目が覚めて先生からの説明を受けると、
「ゼロだったんです」と。
・・・えっ、何が?
「え」って小さい声が出たのかもしれない。
「卵が空で、ゼロだったんです。」とふただび先生が言った。
「え、ぜんぶ」
「ええ」
どのくらいシーンとしてたのかわからないけど、「どうして・・・」と言ったかもしれない。
「今回は大きくなるのが早かったので卵胞の中の核が成長してなかった、もしくは、採卵するときに卵胞の核を残してしまうことがあるんですが、それかもしれません。」とたんたんと説明。
小さい卵胞の中の更に小さい卵子、扱うのはとても大変なんだと思うし、卵胞の中を予測することは不可能なのかもしれない。
私はついに卵子が採れないというステージに入ってしまった・・・
あの見えていた卵胞が全部空だったなんて、注射で大きくなっていく卵胞を診察時に確認し、「あ、大きくなっている〜」なんて嬉しく思ってたこと、全然そんなの・・・何やってんだろう。
過去に受精せずして全滅したことはあった。しかも2連続。
あの時もくじけそうな衝撃を受けたけど、なんとか前向きに立ち直った。今回は、何・・・何も進まないってことだよね、
卵子無いってことは受精とか胚盤胞とか、そういう問題じゃない、何も何もできないの。卵子が無いと。
先日受けたAMH検査の数値が脳裏に蘇る。どんな顔して病院を出たのか、思い出せない。
この日の会計は52,710円
採卵までにかかった合計金額195,090円
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)