奥様は働かないんですか？

先日生命保険の担当者がきました。
結婚した当時（１０年前）に加入した保険の見直しです。

子供いませんし、見直しは定期的に必要かなと。

プランについては一通り話しが終わり、世間話の時に、
「奥様は今、専業主婦で？」
「はい」
「いつも何を？」

と、よくある質問をされました。
「排卵日に合わせてクリニックに通い、注射を毎日のように打っています、待ち時間は２時間で通院時間も含めると４時間かかることもあります。ホルモンの過剰摂取により頭痛も吐き気もひどくて卵巣が腫れて歩けないことも、そんな人にできる仕事あったら紹介してください〜」なんてまじめに答えるわけないですよね。赤の他人様に。

「毎日遊んでますよ〜おほほほ」って言っときました。

生命保険の担当者なので、過去の流産手術や死産のことは一応知っている。でも、やっぱり元気に普通に話しをしてる私を見たらすっかりそんな過去のことはふっきれたように見えるのかもしれませんね。

その死産当時から考えると、私がいまでも生きていて、涙を流さない日が訪れて、外出したり、近所のスーパーに買い物行ったり、妊娠を知っている友達と合ったり、妊娠を知らない人と合ったり、テレビを見て笑ったり、夫のご飯の支度ができるようになったことは奇跡のようなことなんだけど、
それプラス働けと・・・。

いいじゃない仕事なんて、仕事は、いつからでもスタートできる。
妊娠、出産はやる気だけじゃどうにもならんのよ。もう、何かと天秤にかけてどっちも叶えたいなんて言えない。
だから、フルタイムの仕事を退職したのです。今復帰するなら退職しなかったよ。
不妊治療と仕事、がんばって両立してる人たくさんいると思うけど、相当しんどいよ。ただただ女性だけしんどい。周りに迷惑かなりかけてるし、本人もかなり頑張っている。子供居る人も子供の熱で突然休むことあるけど、不妊だと目に見える存在の「子供」が居ない分、なぜか肩身が狭いんだよね。理解もされにくいし。
子供が熱なのに会社休んだらダメだ！って言う鬼会社はないでしょう。仕方ないもん。
でも「不妊治療はいつまで続くの？」「いつ休むかあらかじめ言って」とかチンプンカンプンなこと言われるわけです。

だからやめたの。

専業主婦というと、アラフォーコナシの担当者さん（とっても保険の相談に関しては良い人なんですけどね！）のように何してんの〜？暇でしょ〜？って感覚を持つ人が多い。ずっと仕事をしてきた男は、これからも妊娠出産することはないのだから、至ってシンプル、仕事するしかないでしょ。そういう人から見ると、自分が働いている８時間くらい家に居て何してるんだろうって不思議に思うんだろうね。

でも、それぞれの分野でそれぞれがしたい役割をこなせばいいんじゃないかなー。って思うんです。

専業主婦みたいな会社の看板の無い世界に入ると、男の持っている肩書きやプライドとか何の役にも立たなくて、エリートサラリーマンは廃人になっちゃうのではないか、１週間ももたないんじゃないか、ガーデニングに水をあげて花が咲いたことに喜べるだろうか・・・と思う。
私はそれが幸せだからこのポジションにいる。それでいいじゃんー。

それに、どんな仕事よりも不妊治療の方が大変だと思うから。

 にほんブログ村  にほんブログ村