結婚式の時、たくさんの人から祝福されました。一生分の「おめでとう」をもらった気がして幸せを感じていた。
その後・・・おめでたい話ってあっただろうか。
祝い事は、出産祝いから始まり、生後100日のお食い初め、七五三、入園、卒園、入学、卒業、就職・・・子供が生まれると、おめでとうレールに乗りまだまだ続く。子供のいる家庭は明らかにおめでとうが多い。それは健康に育って欲しい願いが込められているので、当然の大事な行事。
子供がいないとそれが全部無い、「おめでとう」って言ってもらう機会。
あったとしても、
転職?昇格?資格取得?
自分のこととなると、すでに大人だからただの自慢話になってしまう可能性を秘めている。会社を興した、昇進したというわかりやすい事柄があればそれはそれでお祝いになるかもしれないけれど、そうそうあるものではない。ただまじめに働いているというのが一般人の日常。
お正月の食事会で、両親と私たちの4人組は去年と変わらぬ人数で、変わらぬ会話をし、年だけを重ね着実に老いていた。
「仕事は順調か?」「働きすぎて体を壊さないように」毎年同じ会話。
ここに子供がひとりいれば、パっと明るくなる。何かができるようになった、漢字が読める、絵が上手、算数が得意、どんな会話でも全員が喜べる。その子が成長することで自動的に毎年話題が提供される。
自分じゃない誰か(子供)が話題の中心にいるのに、自分のこととして嬉しいという、なんとも不思議な感覚。良い旦那さんね〜と、もしも言われたとしても、、、それとは全く違う感覚なのです。
私にもおめでとうはあった。だけどその後に悲しい出来事に変わってしまった。父の死と流産は重なり、その後の死産、悲しい行事ばかりで落ち込んだ。
マツコデラックスが「私はこのまま誰かを祝福するだけで、祝福されることはないの!?」と冗談めいて嘆いていた。すかさず有吉が、「ビルの建設じゃない?」と笑いをとっていた。
でもそれ、わかる。
もう、それくらいしか「おめでとう」は言われることはない。
でもそこは目指したくない。
普通の小さなおめでとうで良いので、宜しくお願いします!
8月のコウノトリの会は「夏の妊活モヤモヤ会」です。
赤ちゃんを望んでからモヤモヤが止まらない。どんなことでモヤモヤする?
みんなで考えながらプチワークショップ形式で進めていきます。
日時 8月31日(木)18:00〜20:00
場所 港区立白金台いきいきプラザ(最寄駅 白金台徒歩1分)
参加費 3000円(リピーター様 2000円)定員5〜6名
対象:赤ちゃんを望んでいる方(不妊治療の有無は問いません)
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1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)