先日7月10日から2週に渡りLGBT講座にお友達と参加しました。
「多重性尊重〜普通ってなに?〜違うことを認め合う』
LGBT当事者のお話。マイノリティとして生きること、社会はどうしたら良いのか、アウティング(=本人の許可なく他人に秘密をバラすこと)の話もありました。思っていた通り当事者の話は貴重で、リアル話を聴くことができました!
(写真:品川区HPより)
普通・・・。
私たち不妊当事者も頻繁に「普通」というワードを使ってしまいます。結婚したら普通に子供ができて・・・、妊娠したら普通に出産できると思ってた・・・、と「普通」を求め彷徨い続けています。
でも「普通」ってなんだろう〜。
結婚しないの?彼氏いないの?という何気ない挨拶のような声がけはLGBTの人にとっては言葉を濁すことになります。その場だけで話を合わせることもあるそうです。
これは、私が不妊治療中に「赤ちゃんはまだなの?」「どうして作らないの?」「もうリミットなんじゃないの?」と聞かれた時の空気に似ていると思いました。「まあね、そろそろね」などと平気なふりをしてました。普通に妊娠する人たちとは自分は違うと自覚してるから、それを知られたくなくてごまかしてました。頻繁に聞かれることをいちいちごまかすのは「生きづらい」ですね。ではごまかさずストレートに「妊活している、不妊治療している、流産も経験した」と言えばいいのかというと、普通じゃない人はそれをネタにからかわれたり、変な人扱いされるたりと嫌な経験をしているので、誰でもは言いません。詳しく書かないけれど嫌な経験というのは「どっちに原因あるの?!」「セックスの仕方わからないのか」などです。
誰しも大人になったら結婚し、子を産み育てる、これが「普通」の人生という前提で話が始まってしまいがち。でも、時代は平成30年、多様性を認めましょう、みんなが生きやすい世の中にという流れがようやくやってきました。御茶ノ水女子大学が「女性と自認していれば2020年から入学許可」というニュースや、学生服をスカートかパンツか選択制にしたり。
この講座に2回出席した後、杉田議員の問題発言が炎上しました。「LGBTには生産性がない」「LGBTの支援しすぎ」という内容です。生産性、、、工場みたいですね。で、LGBTの支援しすぎ?始まったばかりで、まだまだ理解していない人がたくさんいますよね。私だって講座に初めて参加したのに。講座をすることは税金を使っているということですよね。このような講座なくしてどのように当事者の悩みや困っていることをリアルに当事者以外が感じれば良いんでしょうか。
杉田議員が全文読んでないのに切り取って批判しないでと言ってたので、全文を読みましたが、もっとすごいこと書いてあって「全文読んで」とよくすすめてくれたな、と思います。LGBTを容認すれば近親相姦も容認しなければいけない内容や、社会ではなくその人の親が理解してない苦痛を社会制度のせいにしているのはおかしいとも書いてありギョッとします。
と言ってますが、あなた自身が気にせず・・・って生産性ないって言ってる人とLGBT側がお友達になりたくないのではないかしら。それに多くの人にとっても同じ??って嘘。ちゃんと当事者の声に耳を傾けてください。LGBTは左利きと同じ5%います。でも遭遇しないですよね。杉田さんみたいにLGBTは生産性がないなんていう人がいるから打ち明けられないんです。
「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません。」(新潮45)
・・・「普通ってなに?」という講座でたくさんの気づきを得たばかりの私にはあまりにも残念すぎる言葉です。政治家がこんな状態なら社会なんて変わらないですね。現在LGBTを理解してない人に普通以外の人のことは理解しなくて良いと訴えているようです。
LGBTとは気にせずお付き合いできる、でも普通じゃない人を認めると社会が崩壊するんですね??この最後の文章は支離滅裂で本当に意味がわかりませんでした。
次回はアウティングについて不妊目線で書いてみます!
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)