先日の採卵で卵子がゼロという結果をつきつけられ、これはもうどんな治療をするかというよりも、
今まで避けていた「子供を授からずに治療を終える」ことを考えない訳にはいかない、これからはそれを一番に考える時期かもしれない。
今までは、タイミング、AIH、IVF、ラパロ、不育の治療、染色体検査、いろいろすることあった、向かうところがあった、
新地に繰り出すから少しでも前向きになれた。不安はあったけど、次は!という気持ちがあったから。
ゼロだったのは私の身体に起こった事実なんだけど、今まで積み重ねて来た歴史があるから、どうしても「ゼロでした」というその言葉だけでは納得できなくて、
絶望感と悲しみ、自分の身体が思うようにならなくて悔しい気持ち、色んな感情がまざって言葉にならなかったけど、もうだめなの?という不安が急に押し寄せて来て、
ひとりで帰るのがとてもつらかった。
もしもあの採卵が最後のIVFだとしたら、きっと後悔する。終わりにできないと思う。
転院・・・しようかな、って頭によぎりました。
うまくいってるときはいい、
でも治療に行き詰まった時こそ大事。
最近は担当の先生も決まってなく、たまたまだと思うけど何度か同じことを聞かれることもあり、少し信頼感が薄らいでいた。
気分転換もできるかもしれない、そんな想いから翌日には新しい病院に予約を入れ、6年通院してきた病院から転院することにしました。
結果には結びつかなかったけど3度妊娠もできました、みなさん親身になってくれた、想い出はたくさん。
ここから卒業したかったけど・・・長い間お世話になりました。
(2012.4)
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)