全身麻酔から目覚めて診察台からフラフラしながら降りる。採卵終わったんだ・・・
ここにいる看護師さんは卵子があったか、無かったか、結果を知ってるんだよね。聞きたいけど、、、どうしよう、聞いても良いのかな。
「あのー、採れたんでしょうか」恐る恐る。
「ひとつ、採れましたよ」と看護師さんが私の背中をさすりながら、うんうんと頷きながら言ってくれた。
「あぁ・・・よかった」意識もうろうだけどとにかく安堵。ゼロではないゼロではない。可能性はある。
「大事な大事なひとつですね」と優しい言葉。
この看護師さんかなりの癒し系だ、ありがとうございます。
ベットに戻り、しばし眠る。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)