あるカップルのストーリーです。私の実際の友達の話し。
B君は39歳、彼女は42歳。彼らは付き合い出してすぐに、「子づくり月間しま〜す」などと我々友人始め、会社にも発表し皆を笑わせたりしてました。不妊治療した病院紹介して!と聞かれた事もあります。ただ、私は教えませんでした。まず、未婚で治療は変だろ・・と思ったのと、治療で苦しむことがあるのに彼女を簡単に通わせようと思う考えに賛同できなかったからです。
彼らは3ヶ月ほどしても妊娠はせず(そりゃ・・・そんなすぐにはって感じですが)、その頃私が死産しました。2011年のことです。
B君は私の傷心をとても心配してくれました。しかし、その1週間後にB君は彼女と突然別れました。
理由は、「年齢が高いと安全に出産できないから」ということでした。
データ上では当然のことだけど、なんだろう、それは明らかに私の死産がきっかけですよね。
どこかの政治家と同じ?彼女を、女性を、産む道具と見てた?・・・人の心情はこんな時にわかるんですね。
子供産めない人には用はない、という態度に人格を疑いました。彼女も子づくり月間とまで発表していたB君に突然別れを告げられ、ショックだと思います。どうにもできない年齢のことで、どうしてこんなに苦しまなければいけないのでしょうか。
せめて別れの理由は性格の不一致、くらいにしてほしかった。
でもB君はその発言そのものがとてつもなく女性陣を傷つけているということにサラサラ気づいていないので、私にも夫にも会社の女性の前でも言っちゃうのです。「やっぱ子供ほしいからさ〜〜年齢的なこと考えるとね〜」って。
年齢が高いと安全に出産できないというのはデータ上あるかもしれませんし、高齢出産リスクはあります。がっ!!!男性が言わないで欲しい。結婚もしてないのに。
そしてそれから2年、まだB君は結婚してません。
「B君発言」つづく
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)