悲惨な事件がまた起こりました。
新潟県警新潟東署は8月18日、自宅で出産したばかりの女児を殺害したとして、殺人容疑で新潟市東区の無職少女(17)を逮捕した。調べに対し、少女は「覚えていない」と話しているという。逮捕容疑は7月16日早朝、自宅のトイレで出産した女児の口に紙を詰め込み、窒息死させた疑い。 同署によると、少女の様子がおかしいことに家族が気付き、自宅内でぐったりしている女児を発見。少女とともに病院に連れて行ったところ、死亡が確認された。少女は当時高校生で、家族は妊娠に気付かず、少女は高校に通っていたという。(時事通信)
赤ちゃんは一生懸命に成長してきたのに母親に殺された。想像するだけで心が苦しいです。特に不妊や不育症の女性からしたら、とても信じられない許せない事件だと思います。乳児殺人・遺棄事件は報道されているだけでも年間25件(2012年)、43%が出産直後の実子の殺人。虐待死の25%は生まれた日です。
あえて厳しく書きます。誰の責任かを問うと、母親(少女)の責任になります。頼りは母親だけですからその罪は重いでしょう。
ではこれらの事件を防げたのか?
ということを考えると周囲の環境が見えてきます。少し前までは、少女の背景のことなど考えもしませんでした。赤ちゃんがかわいそう、、で終わっていたと思います。しかし、今年から子供の相談を受けるボランティアに関わって、考え方が変わってきました。
少女はまだ17歳、少女の親、先生、周囲の大人、近所の人は彼女の身体の変化に気づかなかったのでしょうか。画像のガールズチャンネルの一般人のコメントでも多くの人が「親はどうしてた??」という疑問を持っています。
ヘルプを出していたのでしょうか。ヘルプは届かなかった。。。無視された。。。ヘルプを出せる環境ではなかった。。。こんな事件を無くす為にも私たち周りの無関心さも問題です。自分の周りにそんな子がいたら、相談されたら・・・ということを考えてみて下さい。赤ちゃんを救うひとりになれるかもしれません。
子供たち(18歳以下)の相談の70%は統計によると「性」についてです。思春期ですから当然かもしれませんね。異性が気になる、自分の身体の変化、セックスがしたい、マスタベーションなどなど。
そして小学生、中学生、高校生で悩みは全く異なることも難しさのひとつです。
しかしそこで感じることは、ただひとつ・・・共通しています。
「誰にも相談できない」ということ。
親はいます。でも相談できない。そもそも性のことを親と話したことがない。では学校は?・・・そんなの教えてくれません。教科書に載せるだけでも教育委員会からバッシングされる世です。教科書に書かれていたとしても教師はそのページを飛ばします。
興味関心が湧くのは自然のことですよね。成長の証だと思います。でもそのことについて話すのはタブー。命が産まれる大事な話しなのに、なぜだろう。
まずはネット。
何の知識もなく興味津々の状態の子供が突然AVビデオから性を学ぶとどうなるか・・・、それが普通のセックスではない、と子供だと気づけません。どうしてセックスをするのか、本当に好きな人とする行為、赤ちゃんを作るための行為だよ、と言ってくれる人は誰ひとりいません。
長くなったので次のBlog(「予期せぬ妊娠」「望まぬ妊娠」をしたら)に続く。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)