相談室で開催している「コウノトリの会」について書いてみます。
私たちはいままで何かあったら出来事を友達、家族に自然に話しをしてきて、解決しなくとも相談してきました。
嬉しいこと、楽しいこと、と同じように、
悲しいこと、つらいこと、も語りたいんです!!
最近の子供は「親に心配かけてしまうから・・・」と言い、負の感情を出さないようにしているそうです。どんな感情も話して良いんだよと伝えていくことが大切だと支援している方の話。
人生は嬉しいことばかりじゃありません、つらいことこそ力を合わせて乗り越えないといけないんです。
「お金がない」「就職できない」「ピアノがうまくならない」「出世しない」というたぐいの悩みと、不妊の悩みは一味違います。努力でどうにかなるものではないので長い暗いトンネルのようだと表現されます。そして、自分の”生殖”の部分の悩み、子孫を残せないかもしれないという恐怖にもなる不安はそうそう他人に話せるものではなく、理解してもらうことも難しい。
お友達に打ち明けても、自然に妊娠した人はなかなかその苦しみを想像することができません。拍子抜けする回答をもらった人も多いと思います。「子供だけが人生じゃないよ」「もっと辛い病気の人いるよ」なんてよく言われました。
そして誰にも言わなくなり、ひとり孤独に閉じこもってしまった・・・というパターン多いですね。
「コウノトリの会」は、
誰にも話せない・・・と悩んでいる人と人とをつないで他の人の気持ちや経験を知り、活発な情報交換をしよう、というもの。治療歴、年齢、病院の方針、周囲との関係、それぞれが違う経験をしているけれど、”赤ちゃんを望んで一生懸命努力されている”というひとつの共通点がこころを開くきっかけになります。
最初は、
どんな人が来るんだろう、
こんな話ししてもいいかな?
と緊張もあるかもしれません。私も同じようにどんな人が来てくれるかな、せっかく来てくれるから精一杯したい、と緊張してます。
会が進み、みんな同じように苦労されているという仲間意識が生まれると、やはり女子・・・語りだしたら止まりません。
会を開催するものとして、本当に嬉しいことです。
限られた時間の中、まだまだ話し足りないという思いはあるかもしれません。だって、だって、不妊って人生全部に影響することですよね。あれこれ話したいことが出てきて当然。
「コウノトリの会」で自然界では得られない空間を体験してもらい、「自分ひとりではないんだ」「こんな感情になっても変ではないのね」と感じてもらうことを目的としています。
マンツーマンのカウンセリングも良いですが、グループカウンセリング「みんなで語るコウノトリの会」も違う効果がありますので、関心あるかたはお問い合わせください。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)