子ども虐待対応たん (@childfirsttan)って知ってますか?
虐待防止のあれこれ、有益な情報を、限られた文字数でツイートしてくれています。
「子どもを激しく叱ったり手を上げている親を見かけたあなた。心配と思ったら、責めるのではなく、「お母さん(お父さん)も大変ですね」と声をかけてみてはどうでしょう?第三者が入ることで親子とも落ち着くことがあります。勿論明らかにケガにつながるような暴行、日常的な虐待が疑われたら通告を。」
んーーー、できなかった。
私の住んでる地域では熱心な親世代が多く、この文章にあるような場面に出くわすことが多々あります。でも声かけれなかった。子供、申し訳ない。
駅のホーム
「あんたが生きてる意味言ってごらん!!」とすごい剣幕で母親が推定3歳男児に怒鳴っている。泣いてます。手はあげてないけれど子どもがママにつかまろうとしたら思いっきり振り払う。何度もママにすがりつくけも、払われる。塾(英語という単語が聞こえた)のテストがうまくいかなかったようです。電車で通うくらいだから、母親は子どもの教育に相当な力を注ぎ期待してるんでしょう。
「来ないで!」と突き放す母親。泣く男児。不安。
電車が来たらどうするんだろう、電車もうすぐ来るよ、まさか、さすがに子どもを置いていかないよね。いや、置いていった方が問題になって駅員とともに保護できるか・・・
電車来たよ、どうするどうする?乗った?私はホーム後方、親子は中央。
ギリギリで子ども乗りました。はぁ・・・・
乗車してからも母親は子どもを置いてそそくさと歩く。
駅のホームに響き渡る罵倒の声は誰しも聞いていた。みんな気づいてたし、見てた。ちょっと言い過ぎではないか・・・と虐待に鈍感な人でも思ってたはず。「生きている意味」は3歳男児には答えられるのだろうか。大人もしっかりと答えられない内容だと思う。
母親の罵倒する声は、私の幼少期の実母を思い出させる。ヒステリックな声、机の上を全部ぐちゃぐちゃにしたり、体罰、本当につらかった。キレる女の像。
でもでも、あの親子を私を含め誰も止められなかった、声をかけられなかった。
なぜだろう。
その家庭のことは他人が口出ししてはいけない?
声かけたら逆ギレされそう?
なぜ私は躊躇したんだろう。ほぼ100%のそこにいた大人がハラハラするほど、振り向いてたのに。
「生きてる意味いってごらん!」とは、「なんであなたは生きているの?」にも聞こえ、自己肯定感を低くする。それは子の成長を愛でる行為なのか。
どんな大人になって欲しいのか、塾の教育も大事かもしれなけれど、それだけではなく、日々の子どもへの言葉(夫婦間の言葉も)も大きな影響を与えると思う。
私の所属しているチャイルドラインでは(18歳以下の無料電話)で専門家を招いてメンバーが研修をしています。そこで何度も、いろんな先生方が言うのは、「自己肯定感がとても大事!」ということ。
身体的マイナスな体罰だけではなく、言葉もです。
次にこういう場に出会ったら、子ども虐待対応たんのように声かけれるだろうか。

1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)