テレビは見ません。
ドラマは少し見ます。
綾野剛効果もあり、「コウノドリ」が巷で話題になっています。命の誕生は奇跡、ミラクル、美しい。。。
やはり、あれは、困難を乗り越えた後に見るドラマかな。
乗り越えるというか、自分の中で処理するというか・・・
さまざまな困難は人生にはある。不妊だけではない。
困難があってもその後、結果(子供が無事に生まれた)があることで、困難は困難のままではなく、過去になるのではないか。
長きにわたり不妊治療をしているという状況を乗り越えたと言えるのは、やはりその後赤ちゃんを抱いた時に「不妊治療してがんばって良かった」と清々しい顔で言えるのではないか。
流産を過去にした人は、「あの時の流産で命の尊さを知りました。その分この子の誕生がより嬉しかった」という。(これはその人にとってとても良い経験、それは間違いない)
次に妊娠・出産という結果があるから、過去に決着や整理ができるのではないか。
結果の出ていない人に、これらの言葉を当てはめることは、やはり、できない、そう思う。
いつか結果がでなくても彼女らと同じように言える日が来るのだろうか。
この前の「コウノドリ」は、不妊治療の末の妊娠した妊婦が救急車で運ばれ、お腹の子が亡くなり、子宮破裂、子宮摘出・・・病室で夫とふたりのシーン。
つらい
始まって5分でこの展開。。。美談だけではダメ、仕方ない、これが現実。
でもドラマを通じて、「救われる人と救われない人の境界線はどこにあるのだろう」と考えてしまう。そんなわけで、コウノドリの次の回を見ようとは思えず、パス。
若い恋愛ドラマを見ても、結婚すれば幸せのような描写が多く、「結婚したら幸せではなく、思いもよろぬところに落とし穴があるのだよ」と冷めてる自分がいて、楽しめない。
私みたいな人は、下町ロケットくらいしか心穏やかに見れるものが残っていない・・・。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)