かわいい子供服、心の中の「妄想という名の生殖物語」

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不妊治療を始めた頃、私はベビー&マテニティ服の関連の職場にいました。

かわいい服や、注目ブランドなどはもちろん日常的に目に入り、妊婦特集では、妊娠中を楽しく過ごす旅行とか、おしゃれファッション、出産前に準備する品々。「私も赤ちゃんができたら!」「子供にこんなの着せてあげたい!」「ママとお揃いかわいい!」と夢は広がるばかりでした。

ほとんどの妊婦さんが結婚から1年で妊娠。みんなから遅れをとっているかもしれないけれど、私もそのポジションに必ずなれると信じていました。30歳とか31歳でしたし。

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時々、会社でファミリーセールがあり、子持ち社員がたくさん買っていました。私もまだ見ぬ赤ちゃんにスタイを買ったことがあった。そのスタイ、どうしたんだろう。

赤ちゃんを望んでいる人はまだ赤ちゃんがいないけれど、心の中に赤ちゃんがいてずっと考えています。

 

子供服を見た時

ベビーカーを押すママを見た時

公園で遊んでいる家族を見た時

SNSに卒業、入学って流れてきた時

 

妊娠したら・・・赤ちゃんが生まれたら・・・子育てを始めたら・・・と目に入ってくる情報と自分を重ねて、子供にしてあげたいことはふくらみます。かわいい子供服を着せたいだけではありません。代々伝わる我が家の家庭料理を教えたり、一緒に悩んだりしたい。子供が大人に成長していく過程をこんな風に親として支えてあげたいという想いは、困難に打ちひしがれている子供たちと関わる度に募ります。

妄想なんてしない方がいいよね。でも、その妄想、さかのぼってみるといつからですか?

幼稚園の時の「おままごと」という人もいます。おもちゃのミニキッチンを使ってママの真似ごと。周囲にいる女性は「ママ」、友達のお母さんも「ママ」です。将来はママになって・・・と知らないうちに「ママになる」の始まりです。

 

長い間抱えてきたこの妄想という名の”生殖物語”。子供が授かれなければ、それをひとつひとつ手放して、子供がいない人生への書き換える作業をしなくてはいけません。しんどいけど。

ママになりたいと思ったのはどうして?きっかけがあるかもしれません。

私の場合は、簡単に言うと、「きちんとした子育てをしたい!」ということだと気付きました。これは、虐待やネグレクトで育った子が大人になって、自分の子育てで「育て直し」をするのと似ています。というか、それです。私は、子供の人権を無視された劣悪な環境で育ったので、私が親になったら、理不尽なルールを押し付けることなく、ひとりの人間として尊重し育てたいと思ってます。これは思春期からずっと抱いています。このままでは私が親でないために、ダメ親すら超えられないのです・・・

言葉にすると、くだらない理由かもしれませんけど、ここには幼少期から重ねられた根深いものがあるんです。それで1冊書けるくらい!!(ここでは省略、毒親カテゴリーを作ったらそこで・・・)

 

妊娠したいのはなぜ、子育てしたいのはなぜ、そこを探ると手放せる助けになるかもしれません。

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さて、まだ見ぬ赤ちゃんへのプレゼントが残っていることってありますよね。

昨日、クローゼットの奥にブランケットを発見。これはベビーカーに赤ちゃんを乗せている時に足元防寒用のひざ掛け。リバティプリントで、ダウンコートみたいにモコモコしてて保温効果バツグンの品。ああ、買ったなぁ〜〜〜妊娠してた時。赤ちゃんのために。

我が家にはインコがいます。夜はケージにカバーをかけるのですが、これだけだとちょっと寒そう。この、リバティプリントのモコモコブランケット、どうしよう、ちょうどいい・・・。ここでインコに使ったら、終わりだ、負けだーー負けだぞー。

何に負け?笑

もう赤ちゃんを諦めるって認めたことになるのではないか・・・

誰に見られているわけでもないし、誰に許可をするわけでもないし、インコが使ったあとに赤ちゃんが使えばいいのだけれど、なんだか後戻りできない事に手を出してしまう感じがするのです。

しばし私の中で葛藤があったのだけど、赤ちゃんと同じように愛らしいインコに使ってもらうことにしました。うちのインコなら許す!!!(親戚の子供とかは嫌だけど・・・)こうやって私の”生殖物語”は書き換えられていくのかもしれません。

 

さてさて、お知らせです。

35歳以上の不妊治療をしている方でコウノトリの会をします。ルイボスティを飲みながら、お話をしませんか?詳しくはコウノトリこころの相談室まで

3月30日13時30分〜

場所:港区白金台

参加費:2000円

(定員5名、現在残席3名です)

 

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