2016年の12月28日年末にNHKで放送された「あなた、私たちの子じゃないの」そのとき親子は…? 見ましたか?
⇧全文ではないけれど、ここに赤裸々トークのまとめがあります(NHKサイト)
この番組、いつもは政治家の秘書とか、けっこうきわどい話をおもしろおかしくしてくれて、笑えるものなんだけど、今回ばかりは・・・号泣でした。
ゲストは2歳9ヶ月で養子になったケイタ君(仮名)高校3年生。顔を出したくないゲストは「ブタ」になって登場します。聞き手はモグラの山里とYOU。
主なところだけまとめました。
山里)乳児院はどんなとこ?
ケイタ君)乳児院は・・・食事の時間が決められてて、お風呂も一斉に入れられてひとりずつ出されるという芋洗い状態。
山里)育ての親に会った時は覚えているの?
ケイタ君)週に何回か来てくれて動物園とか公園に行って馴染んでいった。
山里)急に今日からここの家の子だよではないんだね
ケイタ君)そうです、じょじょにです。寄り添ってくれてから本当の親だと思ってました。そもそもお母さんのお腹から生まれるって知らなくて、生まれたら乳児院に入って育ってきたら親元に帰るというシステムだと思っていた。
山里)養子ってどんな流れで言われたの?
ケイタ君)6歳の誕生日にお母さんが突然「お腹が壊れて産めなかったんだよ」と。
YOU)昔のドラマではちょっとひた隠しにすることはあったけれど、お母さんからきちっと早く知らされるのは良かったな〜みたいのある?
ケイタ君)僕自身も自分で納得するまでは時間がかかったのはあったけど。親と距離をとったり、部屋にこもったりしました。
YOU)そっか〜〜〜、え〜〜悩むな、私なら言わないかも・・・
山里)でも、ひょんなことから知ってしまうことが一番つらいかもしれないよね
ケイタ君)いつかバレるんですよね。(戸籍などを見て知るより)親から伝えられるほうがクッションがあるのかな、って。
*乳児院には、保護者が育てられない就学前の乳幼児を養育。全国134カ所、2939人が預けられている。
*特別養子縁組で親子になるのは年間500組。
ここからはちょっと学校に対して、本当に考え直して欲しいって思ったところ。養子じゃなくても児童養護施設で育ってる子も里子も再婚家庭もたくさんあるんだから、1/2成人式とか、親への感謝の気持ちを伝えるイベントとかもうやめようよって思った。。
山里)養子で困ったことある?
ケイタ君)小学校4年生の時に1/2成人式というのがあって、0歳から10歳までの写真をアルバムにするものなんですけど、どうしても0歳のが無くて、毎日忘れました忘れましたと言っていた。
山里)先生もちょっと気使えよ!だよね。
ケイタ君)先生は養子だと知らなくて、あと、道徳の教材に「血が繋がっているものが家族」って定義が書いてあって・・・
YOU)クソみたいな教科書だねー!
ケイタ君)それ見たら、(親を)親と見れなくて、本当の親じゃないって思って。で・・・先生に養子だとちゃんと全部事情を話したら、先生がクラスの子にそのことを言っちゃったんですよ。
YOU)バカだね。ほんと嫌なんだけど!
ケイタ君)そこから「親なし」とかいじめの連鎖です。それを恐れて養子だと言わない人はいる。
YOU)やっだーちょっとーどこの学校よ!!
山里)お父さんお母さんには言えない?
ケイタ君)言えないです。気づかれないようにしてた。育ててもらってる分、迷惑はかけているので、そこでいじめられたという、また新しい迷惑をかけたくないから耐えてました。
山里)迷惑って思っちゃうんだ、つらかったろーそれ!
ケイタ君)名前も誕生日も誰がつけたか、本当かもわからなくて嫌だった。苗字しか本当のものがない。(そのつらさを)中学2年まですごい抱えてたんだけど、プロボクサー(里子の経験あり)の坂本博之さんに会って、まず言われたのが「良い名前じゃん、名前通り生きてるじゃん」って言われて。
「今の家族に不満があるの?」って聞かれて、ないんですよ。「今、いる家族があるからこそこうやっていれるから。産みの親に感謝はしなくちゃいけないけど、今は育ての親でいいでしょ」って言われて、そうじゃんって思って。本当に幸せでその時。そっから吹っ切れました。
俺は養子だし、血縁関係ないけど、今の家族は家族であるし、親は親。周りとは変わりはないと思った。
最後に・・・養親からのお手紙(ケイタ君には内緒で書いてもらった)
YOU)いやダメだ、泣いちゃう。泣いちゃうから…ティッシュくだざい…。
手紙を手に取ったYOUが泣いて読めず、山里が読みました。(NHKサイトより)
あなたに初めて会ったのは、あなたが2歳半、お父さんとお母さんは、結婚して何年たっても子どもが授からず
不妊治療にも疲れてしまった時でした。
乳児院の部屋の扉を開けた時、
たくさん子ども達がいる中で真っ先にあなたの姿が目に入りました。
あなたも振り返り、私たちを見てニコッと笑ってくれましたね。
あの瞬間、あなたとは出会うべき運命のようなものを感じました。
一緒に暮らす前の交流期間もとても楽しみでした。
毎週末、いっしょに買物に行ったり、ご飯を食べに行ったり、
動物園に行ったり、親戚のみんなに紹介したり、家にお泊りもしましたね。
いよいよ迎えに行く日にあなたは何かを感じたのか、熱を出していました。
お父さんとお母さんもいきなり親になり、子育てに戸惑う事もありましたが、
親になれた喜びは今までの人生で一番うれしかった出来事です。
そして、「おとーたん」「おかあたん」と初めて呼んでくれた時は、号泣でした。
お父さんとお母さんは、
2人だけの静かな生活から、毎日がとても賑やかで
楽しい生活に変わりました。
お父さんはあなたに早く会いたくて会社からの帰りがすごく早くなりました。
子ども服を選んだり、おもちゃを買いに行ったり、
家族で色々な所に遊びに行って、
お父さんとお母さんも初めての経験をたくさんさせてもらいました。
お父さんとお母さんは、今でもあなたの成長を楽しみにしています。
前向きな気持ちを常に持ち、真っ直ぐに成長しているあなた。
お父さんとお母さんは、あなたに出会えた事にとても感謝しています。
あなたを誇りに思います。
そして、あなたが私たちの子どもでとても幸せです。
ああ、感動です。これ書いててまた涙出ます。YOUと山里の愛のある対応も心が温まりますね。
「親になれた喜びは今までの人生で一番うれしかった出来事です」「2人だけの静かな生活」という言葉が胸にしみます。葛藤とか、悩みとか迎えるまでも、迎えてからもたくさんあったと思うんですけど、ああ、ほんとに、良かったな〜〜〜、って。養親もケイタ君もほんとに良かったな〜って思いました(涙)。ありがとうケイタ君。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)