悩みごとは誰に話す?
悩みごとはふと浮上するもので、不妊に限らずふとでてきます。
その時に、私はこの悩みを誰に話そうかなって考えます。
もちろん苦手な人には話さない、自分の好きな心地よい人に話します。その悩みを話す時に、「わかって欲しい」「理解してほしい」という心理が知らないうちに働いているので、受け入れてくれそうな人を選んでいるのでしょう。
あとは、その分野に詳しい人に話します。
まったくその悩み事の分野を知らない人に相談すると、その分野の説明だけで日が暮れて・・・悩み事本題にたどり着けません・・・。子育ての悩みは子育て経験のある人にするように。。
できれば登場人物も遠からず近すぎずの間柄が良い。そこの説明も省けるので。
なので、一瞬にして「そうそうそう!」と分かち合える人って、貴重なんですよね〜。
不妊がストレスを高く感じるのは、この悩みを誰にでも相談できないという点です。子供がいる友達とは立場が真逆になってしまう、親だと血縁関係上の「後世をつなぐ」ことに直結するので、いろんな感情を相談されている側の親が持ってしまう。今までの方法が通用しない。全く違う解決法を探さなければいけないんです。
人は何を求めて相談するの?
さて、自分の悩みを相談した時に、どうしてほしいですか?
私の話を「うん、うん」と傾聴してくれて、私のことを「それは大変だよね、一生懸命しているのにね」と労ってくれたとしたら、それはきっと教科書通りで嫌な気持ちにはならないと思う。
でも、それで終了だとなにか物足りない・・・です。
以前、公園の「愚痴聞き屋」さんが話題になっていました。ただただ話を聴いてくれる人が今の世の中貴重なんでしょう。
悩みを聴いてくれた先に、「あなたの気持ちと同じように思ったことあるよ」と悩みを「共感」してくれて自分の考えを受け入れてくれたら、私はもっと嬉しい気持ちになります。そう、なんで相談するのかって、モヤモヤしている気持ちを認めて欲しいのだと思う。悩み自体は消滅しないけれど、その悩みへのストレスは減っていきます。
さらに上級編として、「その人にはこんな背景があるんじゃない?」とか自分では思いつかない言葉をかけられると、考え方のヒントが増えます。
3つの欲求バランスで満たされる!
聴いて欲しい、わかって欲しい、ヒントも欲しい!私を含めて人は欲張りです、笑。この絶妙な3つの欲求バランスが揃うと、人は「相談してよかった〜」と満たされます。だけど、お友達とのランチでは片方だけの話をじっくりすることはあまりないため、3つの欲求が達成するのは難しいかもしれません。いくら長い時間話をしても空回りする場合は、これのどこかが欠けているか、順番通りではない可能性があります。相手も話したいことがあるとか、自分の欲求が高いケースもありますよね。
欲求の需要にしっかりと対応することがお友達とカウンセラーのお仕事の違いです。お友達や身近な人に相談できる人はしてください。見守ってくれる人が周囲にいることはこの先こころ強いことです。もし周囲に相談しにくければ、今までとは全く違う解決法として自治体の窓口や不妊カウンセラーを気軽に頼ってくださいね。支援につながることから始まります。

にほんブログ村


1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)