「普通」という言葉。妊活中の人も惑わされたり、翻弄されたりしますね。
生き方なんて人それぞれでいいじゃない、と言いますが、日本の暮らし、まだまだ「普通」が楽です。
普通に結婚して普通に子供産んで・・・普通に家族になって・・・
普通大好き。普通安心。普通という病。私もそのひとり。
銀行口座も普通預金!普通に支配されている。
8月末から9月始めは2学期がスタートするため中高生の自殺が多い。あらゆる自治体やNPO団体は相談窓口を強化しているようですが・・・
NHKあさイチで「もしも我が子が学校に行けなくなったら」不登校特集がありました。子供へのメッセージというより視聴者は親世代なので親へのメッセージになると思いますが、不登校経験のある宮本亜門さんがゲスト。VTRで親から引きこもりの子へ向けて「普通はみんな学校通ってる」というの言葉に対して
「何が普通なの?じゃあ僕は普通じゃないの?」と当時自分が引きこもりだったときに思っていたことを語ってました。
普通とはー
どこにでもあるごくありふれたもの(辞書)
そう思ってました。私が望んでいるのはごくありふれた願い。夫婦と子供がいる家族。特別なことを望んでいる意識はなかった。
子供は普通に授からないことがある。これは妊活中の人なら痛いほど思い知っていますが、まだ世の中では子供がいないこと、結婚しないことをいわゆる「普通」の人たちにいちいち説明しなければいけない場面は本当に多い。普通じゃない生き方してる人の定めでしょうか。
どうして子供作らないの?
「妊活してるけどなかなか・・・」
と、精一杯平気な顔して言ったとしても次の質問に移り尋問は続きます。
え?病院行ってるの?
原因わかったの?どっちが悪いの?
そんなやりとりがめんどくさい時、子がいない理由を「子供欲しくないから」と答えた場合は、
子供はいた方がいいよ、老後さみしいよ、どうすんの?と問われる。
その人が長年抱いている「普通」の概念を打ちくだく理由なんてパッと出てこない・・・そもそも普通に子供がいたらいいなと思って妊活しているのは自分なんだから。
でも、、毎度「普通」を押し出してくると「普通じゃない」と刷り込まれてつらいし、「普通になるまで頑張ろう」とポジティブに思っても妊娠率は低下するばかりなので、やっぱり普通を目指すとつらい結果になることがあります。
1、その人の普通でもあの人の普通ではないことがある
2、社会的多数者が少数者の考え方を変えられると勘違いしてはいけない
これさえ理解していればこの世のよかれと思って発言や、大きなお世話は激減すると思うんだけどね。
私は子供に関しては「既婚子なし」のマイノリティだけど、他の部分では多数派のマジョリティになる部分もあります。結婚してるとか、離婚してないとかです。
なので、マジョリティの立場の時には多数派の「普通」を押し付けないように気をつけようと思います。
このブログ内で普通って何回言ったかなw
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)