7/25(木曜日)のクローズアップ現代のテーマは「共感」でした。
番組を見ていて、あ、、これ、不妊にも当てはまるって思いました。
「そうそう、わかるわかる!他の人が言っていることに同意したり、あるいは一緒に泣いたり笑ったりと言った感情を分かち合ったりすることで、親近感が高まります」
というアナウンサーの言葉で始まりました。
番組の題材は「食洗機」や「化粧品」でしたが、ベースは同じ”共感”です。
自分が不妊クリニックに通院していることすらリアル生活では打ち明けてないのに、ジネコやブログ村不妊カテゴリー、Twitterの#kounotoriなど匿名のネットの中では不妊の悩みを思う存分吐き出せるのはなんでだろう・・・と考えた時、そこが不妊の人しか集まらない場というのは大きく影響してると思う。
数年前、病院の患者会に参加したときのこと、ネット上ではなく自分が不妊だと公表して会に参加したのは初めて。
排卵日の夫の態度や、判定日の病院でのつらさ、共通の先生の話しなど、会話は止まらずどんどんでてくるでてくる。女子会のように盛り上がり、まさにアナウンサーが言った「そうそう、わかるわかる!」という気持ちで嬉しかった。経験したことを女って話したい生き物なんですよ(きっと)。不妊だろうが何だろうが、苦労したことは特に話したいでしょ(陣痛とかさぁ〜〜)
この患者会と同じ内容を会社の同僚や子供のいる同級生に話したって「?」な顔されるでしょう。理解はしようと聞いてくれても、「そうそう、わかるわかる!」はない。
”不妊を経験した人”と”同じ病院に通院”という共通点があるからこのグループでは話してもいいんだ!と直感的に判断し話しがはずんだと思います。
マイノリティな不妊こそ、この共感し合える場が必要だと思います。だって日常で無いんだもん、あえて作らないと。
最後にゲストコメンテーターの箭内通彦さんが大事で素敵なこと言ってました。
「100%の共感なんてありえなくて、90%違っても10%一緒だったらその共感を大事にしていくことが前に進む時に必要なこと」
あーー、これはホント不妊に置き換えると難しくもあり、大事な部分なんですよね〜。
不妊と言ってもそれは大きなカテゴリーで、皆それぞれ違う。タイミング、AIH、IVFという治療ステップも違うし、一度も陽性反応が無い人も、陽性出たけど流産した人も、2人目不妊も、みんな不妊という点では一緒、でもみんな状況は違う。
でも!箭内さんが言うように、そのうち10%共感できる部分があるなら、それを大事にしていこうよ。って私も思います。
子供が授からなくてつらいという気持ちは同じですもんね。
そして私たちは、理解してくれなくて悲しい思いをしているから、どうせ話しをするならば、わかってくれそうな、共感してくれそうな人に話しをする。やっぱり、当事者のピアカウンセリングは「共感」という部分が重要なポイントだと思いました。
おしまい
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)