子どもがいなくても価値がある!WINKシンポジウム2022に登壇しました

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現在私は養子を迎え子育て中ですが、その前の15年以上は夫婦2人の生活を送っていました。ほとんどは妊活・不妊治療をしていて、子どもがいないことで社会の中で生きづらさを感じていたことも多々あります。

今回ご縁がありまして、一般社団法人WINKさんの設立1周年記念イベントに登壇させていただきました。シンポジウムのタイトル、私はドキッとしました。価値がある!!と“あえて”言うのは、価値がないと言われることがあるからなんですよね。


一般社団法人WINKのご紹介
「いかに充実した人生を送るか、いかに良く生きるか。」
これは、子どもがいても・いなくても 大切なことに変わりありませんが、子供がいないからこそ出てくる共通の話題・課題をシェアし、共に学びながら安心して生きていける社会を目指して活動をしています。

子どもがいる、いないだけでその人のことを決めてしまうのはあまりにも雑ではないか。子どもがいない人は生きている意味がないようなことを言われると悲しい気持ちになります。
不妊は増えているとはいいますが少数派です。子どもを育てた大人たちの方がずっと多い。子どもがいない人が未熟で、子どもを育てた人が成熟しているならばもっと日本は平和なのではないかな、と私は思います。子育てをしている今もその気持ちは変わりません。なので、今回お声がけいただきとても嬉しいのです。

子どものいない人のための交流する場を提供してくださった主催者のWINKさんには感謝します。このようなイベントを行うこと自体、大変意味があると思いました。

子育てする未来しか描いていなかった、夫婦2人でどのように生きていけばいいんだろう・・・という相談はたくさんありますし、私も思いました。子育て本やママの記事は世にたくさん出ているのに、子どもがいない人にフォーカスされるのはこの数年ではないでしょうか。WINKのスタッフさんが社会でそれぞれ活躍し輝いている姿こそ、子どもがいない人に勇気を与えるものだと思いました。

そして登壇した方々の熱いトークが、久しぶりに刺激をもらいました。
堀田かよさんは老活の本の前に「不妊治療、やめました。」(ぶんか社)も出版されています。大変穏やかなお人柄のかよさんご本人が笑える実話と紹介しています。治療をして授からずにやめるというのは勇気と覚悟と涙がありますよね。始める時よりやめるときは何倍も大変、これは私の体験からです。
今回のトークのテーマになっている「老活」ですが、かよさんはご両親の介護を10年ほどされていてそれも漫画になっていますが、この大変なご経験から「これは自分の親だからできた、では子どもがいない私たちは体が動かなくなったら誰にこんな大変な介護を頼めるのだろう〜」という気づきから老活を始めたそうなのです。そしてこれを漫画に。プライベートを全部自分で描けるなんて素晴らしい!!!人生がネタの宝庫に見えてきます。

新宿区議会議員よだかれんさんと弁護士の國澤絵里さんは法律、制度の面からのお話。すっごく分かり易かったのは、支援を自転車の両輪に例え、「①理解・共感・思いやり」の車輪と「②法律・条令・制度」の車輪が二つあり、初めて相手に届くということでした。これには本当に納得!

私はピアカウンセラーという職業柄、①の共感してもらうことは大事と思っていますが、確かにそれだけでは気持ちは晴れたとしても行き詰まることはあります。法律により私が守られていることを考えたとき、一番に特別養子縁組制度が浮かびました。家庭裁判所の審判前は「同居人」と記載されていた息子は、長男として私たちの戸籍に移り名字も同じになりました。私たちは他の家族と同様に永遠に家族になれたんです。この安心感は大きいものでした。改めて法律の大切さやありがたさを感じ、一方で法律が不十分で立場が守られていない方々もたくさんいることも知りました。「家族のような存在」この言葉だけでは曖昧で、「家族」以外に相続できないことは同性カップルには切実な問題です。子どもがいないと片方が亡くなった場合も悩ましい相続の問題が発生することも。多様性と叫ばれている昨今ですが、「家族」の枠を強く感じたコロナ禍でした。自粛で交流は家族だけ、レストランでも家族以外の同席はダメということもあり、やっぱりすべての人が家族をもち、子どもがいるわけではないのですから、それ以外の人の視点で法律の枠を広げて考える必要があると思いました。知らないことがまだまだあります。

最後のパネルディスカッションは折口みゆきさんはステップファミリー、私は特別養子縁組、お互いに血縁のない子との暮らしについて話しました。
みゆさんはすでにお子さんのいる男性と結婚したため、子どもを持ちたい気持ちがあったものの、自分の産んだ子どもはいない。でも子ども欲しかったな〜と夫に漏らしたら、その気持ちを受け止めてくれて、その瞬間にスススス〜〜〜とその「子ども欲しかった」魂が成仏したという話。誰かに気持ちを受け止めてもらうことは本当に大事ですよね。私は、孤独が解決できることはない、1人で悩まないで!と常々言ってますが、またその思いが強くなりました。受け止めてくれた夫さんも素敵なんですけれど、その気持ちを吐き出せる夫婦関係が素敵ですよね。また、意外だったのは、血縁のないお子さんと接する時に実母さんだったらどうするかな?と気にしていたことなど、キャリアも成功し、自立しているみゆさんでも、急に母になり手探りなところはどんな母親でも同じかなと思いちょっと安心。完璧スーパーウーマンに見えますので。

まだまだ語りたいところですが、この辺でおしまい。。
参加してくれた方、本当にありがとうございました。今後も引き続きWINKさんを応援します。

【シンポジウム概要】
① トークセッション
「おふたりさま夫婦、老活、始めてみてどうだった?」
 堀田かよさん:コミックエッセイ『おふたりさま夫婦、老活はじめました。~どうなる!?私たちの老後』原作者
② パネルディスカッション1
「生きづらさを我慢しない ~多様性って何だ?~」
<パネリスト>
 よだかれんさん:新宿区議会議員、行政書士
 國澤絵里さん:弁護士
③ パネルディスカッション2
「家族のカタチ ~特別養子縁組・ステップファミリーの実像~」
<パネリスト>
 池田麻里奈さん:不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」主宰
 折口みゆきさん:ギビングツリーパートナーズ株式会社 取締役、立教大学経営学部講師、一般社団法人感情活用研究会 理事
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