月経は”女性の最高のデトックス”、と言って喜んでいる人もいますが、それ以上に注意してほしいことがあります。不要な(古い)血を排出するのは大事ですよね、それには納得です。ヒルに吸わせる変な儀式もありますし。。月に1度の月経で血が循環されて男性よりも綺麗だとも聞いたことがあります。
でも、何度も月経を繰り返すというのは、どういうことか・・・
子宮の内膜を厚くして、剥がす、厚くして、剥がすが妊娠しなければ繰り返されています。卵巣の方へ血液が回って癒着したり、子宮内膜症、子宮腺筋症、チョコレート嚢胞などの女性疾患につながり、それは不妊のみならず、子宮癌や卵巣癌の原因にもなります。
すでに子供を産んで今後出産の予定がない方は血のデトックスと言っても良いかもしれませんが、これから子宮を使って妊娠しようと思っている人は子宮は大事です。
ひと昔前、おばあちゃんの時代に、といっても100年も前じゃない、70年くらい前、
女性の生涯月経数は50回ほどでした。
現代女性の月経数は平均400〜500回、なんと10倍!!(それは子宮も疲れマス)
妊娠している間は月経はストップしますから、7人、8人産んでいる女性は子宮がお休みしている期間が長いんです。大家族がまた子供産んで大大家族になった!なんて話、あれの謎はそこなんです。子宮を無駄に酷使していない。
現代女性は、産んでも1人、産まない女性もいる。それも30代に・・・
産もうと思った時にはかなり子宮は働いた後、ということになります。人間の構造上、本当はそんなに月経を繰り返す予定はなかったんです。そこまで子宮は働ける臓器ではないんですね。
もし、私が結婚前の20代に戻れるなら、妊娠を望む日まで月経をストップさせる内服薬を服用していればよかったと後悔します。ピルを服用している女性がいました。なんとなく避妊のためだけって思ってたけど、子宮を使わないというもうひとつの利点もあったんですね。これは・・・もちろん学校で習いません。
月経痛がひどい、月経量に変化があるなど症状があったら、それは身体からのサイン。婦人科に行ってチェックして欲しいです。毎月当然のように訪れる月経という行為が子宮にダメージを与えている可能性があります。
そして、今20代の若き女性たちには環境の変化と自分の身体の関係について考える時間をもってほしい。
もう、私は20代のあの頃には戻れないので、今からでも閉経まで大事に扱ってあげようと思います。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)