「赤ちゃんが欲しい=親になる」ということ・・・を考えてみました。
弟は5人の子どもがいます。(保育園から高校生まで!)
甥たちはかわいいです。(複雑な心境のときもありましたが、今の素の気持ちです)
親になりたい、子が欲しいと思うとき、かわいい子どもにかわいい服を着せて連れて歩きたい、ということよりも、私は、子が一人前になるためにいろんな経験を積んでほしい、失敗もしてほしい。将来を考えレールを引きすぎることのないよう、そして悩んだとき、そっと見守って一緒に考えたりしたいと思う。
離乳食やおむつ替えなどのお世話が完璧にできても、次つぎと成長に合わせて親は対応しなくてはいけない。成長とともに「教育」が必要になってくる。自立させるまで長い長い道のり。
ファミレスで大騒ぎして他人にぶつかったり、ジュースを無駄にこぼしたり、そんな子どもに何も注意しないのも問題。しかし、理由も説明しないで張り手で殴るのも問題。
子ども同士の喧嘩や、ささいな「これ貸して」「いやだ」など、日常のやりとりに親がなんでも仲裁に入るのも問題。
無理やり行動させたり謝らせるのはせっかくの子の学ぶ場が失われていると感じる。子どもは子ども同士で考えて解決していくことが大事。
こんなのツイートで流れてきました。
子供がドリンクバー混ぜて遊んでて「食べ物で遊ぶなよ、あと親も注意しろよ」などと内心思ってたら、ものすごいマズいのができたらしく一口飲んでもういらないと言いだす。すると「ぜんぶ飲むまで帰らん。やったことの責任はとれ」とお母さん不動の構え。なるほど、これが教育か。
うん、これが教育だよね。自分で学んだ経験は何よりも宝です。
帰り道、バスの中で子どもたち特に4歳児はテンションが高かった。
静かにした方がいいんだろうな・・・でも、
「バスに乗ってる他の人に迷惑になるでしょ」という第三者を引用した言い方はしたくない。
「他の人に怒られるでしょ」も言いたくない。怒られるからしないと思ってほしくない。
「お兄ちゃんは静かに座っているよ、偉いね」はどうだろう。静か=偉い のか?
どうやって教えていけばいいのだろう。親は日々いろんなシチュエーションの中で教育している。えらい。
子ども電話相談にかけてくる子は、深刻な悩みだとしても「親には言えない」といいます。
理由は「怒られるから」ではなく、「心配かけるから」「迷惑かけてしまうから」です。
ガガーーーーン。衝撃でした。
見ず知らずの相談員ではなく、本当なら親子で話し合って欲しい大事な内容なのです。
我が子が苦しんでいるなら、親としてなんとかしたい、支えになりたい、救いたいと思うでしょう。でもそもそもこの状況を知らないのです。相談してもらえてないから。
親たちは、何気なく「ほら、みんなに迷惑かかるでしょ」と幼少時代から注意するとき付け加えてしまう。そうやって育った”優しい”子どもたちは、思春期になり本当に困ったとき、、、「あ、迷惑かけちゃダメだ」と思う。学校からの連絡でいじめが発覚「どうして言ってくれなかったの」と親が問うと、「迷惑かけたくなかったから」という子が多い。
子どもは大人に迷惑かけて心配かけて大きくなる。それでいいのに。
今、私たちは40代の大人が二人、当然何でも自分でできます。
不妊治療は大変だけど、もう十分すぎるほど二人の生活を楽しみました。余生は、誰かのために生きたい、日々一緒に考えて悩んで歩いていきたい・・・そんなことを思います。
かわいい時期だけ抱っこして遊びたいわけではなく、苦労がしたい。
新婚のいとこが甥たちと遊んでくれました。キン肉マンの技をかけたり、遊び方うまい。
「子どもができるまでひとり預かれば〜?」と親戚。私たちにも「養子なんて考えないでひとり持って行きなよ」と・・・。
社会で育てるってそういうことだとは思うけれど、、、さ。
「そうだね、じゃあこの子を連れて帰ろう!」と、いとこが4歳児を抱えたまま玄関に。今まで思いっきり遊んでもらってたのに必死に逃げて親の後ろに隠れました。
やっぱりね。
そうなるよね、それでいいんだけど。
弟夫婦は必要とされている。子にとって、かけがえのない存在。親の存在の偉大さに完敗。
叔父や叔母として教えていくことはあるかもしれない、でも!!!やっぱり「親」という存在になりたい。
羨ましいなと思った瞬間でした。。
私がこの先、親になる可能性はあるのだろうか。長い間、養子縁組のことを考えてきました。そんな選択肢で親になることもありなのかな。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)