参考資料:子を愛せない母 母を拒否する子(単行本)著者ヘネシー澄子
やっと、やりたかった乳児院のボランティアがスタートできます。(2012.2月の話し)
2012年、年が明けてから今年は行動するぞ!!と心に決めてました。そう乳児院。
前に何度か電話で応募してるか聞いてたのだけど、募集してなかった。
それが2月、電話してみると、ではまず来て下さいということに。
面接を受け、ボランティアの保険に入り、健康診断を受け、結核の検査を受け、検査結果を待つ。長い道のり。
夫は、それボランティアする人へのサービスで無料で受けさせてくれるってこと?と能天気なこと言ってたけど、
逆!
もしも私に感染症なりなんかの病気があって赤ちゃんにうつったら大変だからのチェックよ・・・。
ボランティアしたいと思ったきっかけは、
数年前、養子縁組を調べている時に乳児院の存在を知ったから。それまでは恥ずかしことにちゃんとは知らなかった。
親が育てられない場合の措置として0〜2歳は乳児院、18歳までは児童養護施設。
子供が授からない人が養子縁組をしたくて順番待ちをしていると聞きました。2年待っても児童相談所からの連絡が無いとか、、、。
そんなに赤ちゃんはいないんだ、と思ったら、乳児院は常に満床で、乳児院を建設しないといけない程だとか。なんという、、、。
産まれてすぐに病院から直行の赤ちゃんもいて、10年以上実母も面会に来ないまま18歳になったという人も。
なんだか聞けば聞く程やるせないです。
そして私はいつの間にか児童虐待や赤ちゃん福祉のシンポジウムにも行き、里親さんにも会いに行き、研究者さんとも仲良くなり、たくさんの話しを聴き、本も読みました。行動力があった年です。数年前の話しですけど知らないことがたくさんあったのです。
その中のひとつ、愛着障害の本。当時ブログでも紹介しましたね、ヘネシー澄子さんの本です。
乳児期の集団養育で愛着を形成できず、愛着障害になるという内容。衝撃的でした。
産まれてすぐの赤ちゃんは視力がまだ未発達でぼんやりしか見えない、でも近くは見えるんです、その距離は母乳を飲んでいる時の母親との距離なんですって。だから母乳を与えている時は赤ちゃんの目をちゃんと見て、「美味しい?」「良かったね」「たくさん飲んだね」などと話しをしながらニコニコしながら与えることで、この人は欲求を満たしてくれる人だと人間の基礎ができ、安心する場所を覚え、信頼がうまれるそうです。おむつも同じ、気持ちが悪くて赤ちゃんが泣く→すぐ来て取り替えてくれる→気持ちいい→の繰り返しで自分の訴えが受け入れられたと感じる。これは1回ではなく、積み重ねで形成されるもの。
言われてみると当然なんですが、集団養育の場ではこれはできない。24時間営業なので3交代制、ひとりずつ赤ちゃんを抱っこする職員はいないから誰にも抱かれずミルクもミルク枕というのがあり、口に突き刺されてひとりで飲む、おむつもお風呂も時間で決まってる。社会で養護すると言って預かっているのに、それが原因で後天性障害を引き起こす。せっかく健康でこの世に産まれて来ても、大人のせいで障害って。。
乳児院にボランティアで行くまでは半信半疑でした。この日本で、そんなことが?しかもほとんどの人がその事実を知らない。
問題です。
それがきっかけ1。
きっかけ2へ続く。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)