先日、雑誌AERAのアンケートに協力したのですが、その記事が発売されて、やっと読みました。2013.10.28号、楽天の三木谷社長が表紙です。
「どこまでして産みたいですか」
と大きなタイトル。そういうタイトルになったんだね〜
サブで「卵子凍結、出生前診断・・・出産に関する医療技術が、堰を切ったように解禁されている。技術はどこまで認められるべきなのか。」というタイトルがついている。
アンケートに答えたのは独身女性503人と不妊当事者35人。
独身女性のアンケートがとても興味深かったです。
Q.不妊治療を受けてでも出産したい? |
A.はい15% いいえ46% わからない40% |
独身のときから不妊治療は想像できないよね。今不妊治療している人、ほとんどは予想外だったのではないかと思う。
はいと答えた人に金額を聞きいたところ、
Q,不妊治療にいくらかける? |
5万未満 10% |
10万未満 20% |
30万未満 19% |
50万未満 12% |
100万未満 32% |
300万未満 3% |
500万未満 3% |
500万以上 1% |
という結果に。
100万未満の合計が95%!!!!ってそうなるのかー。
100万円じゃ、体外受精が1.5回〜2回。あっというま!
そんなにお金かけれないもんね、まだまだ他人事だから。金銭感覚が麻痺する前の正常な状態かもしれないね。
Q.卵子凍結したい? |
A.はい9% いいえ51% わからない40% |
10人にひとりは卵子凍結したい・・・。一昔前までは考えられなかったことなのに、この数字は多い気がする。女性は先々まで計画を立ててますね、男性とは違って。
いつかきっと希望する人は卵子凍結ができる時代になるんでしょうね。
卵子凍結しても出産安泰ではないのは、前回のブログで述べた通りですが、そこのところは大事なのでぜひ独身女性陣に考えてほしいし、マスコミはリスクもセットで報道してほしい。不妊治療長年している私でも採卵は嫌。膣から針を刺すんですから、普通じゃありません、「卵子凍結は不妊治療の人は普通にしていることなのに」って表現をされたことがあったのだけど、卵子凍結はしていない、受精卵の凍結です。相手がいないのにわざわざしてません。もうこれしかないからしてるんです。そして誰も普通になんてしていない。金額的にも、体力的にも、痛いし、麻酔でぐったりだし、私は信頼できる病院以外であんなの怖くてできないです。「仕事が忙しくて彼氏を作る暇も無い」という人が卵子凍結技術に信頼のおける病院を探す事は可能なのだろうか。
整形や脂肪吸引のように大流行したけど、事故もたくさんあったよね。
そして「独身にも産む選択肢を」日本でも凍結卵と精子提供で産める選択肢を増やすべきだと提案されていた。
う〜〜、、ん、こうなるとお父さんいないってことですよね。独身女性が子どもを産める選択肢は良いと思います。独身に限らずどんな人も産む権利はある。特に若い未婚女性が妊娠したらほぼ100%堕胎をすすめるでしょ、親戚やら、親やらから猛反対に合って年間20万人堕胎している。産みたい意思が女性にあるならシングルマザーでも暮らせるフォローのある社会にしてほしい。
でも不妊に悩んでいるわけでもないのに凍結した卵子と精子提供で産むのは話しがちょっと違っていると私は思ってしまうな〜
私は精子提供により産まれた子の話しをシンポジウムで伺ったことがあります。彼女は20代になってましたが結婚はしない!不妊治療気持ち悪い、絶対反対!と生殖医療に対して拒否反応がすごかった。それは、自分の父が「精子」としか思えず、苦悩な日々を送っていたからで、私たちには想像もできないほどつらいことだと思う。彼女は精子の形ではなく父の本当の面影を探して何年も精子提供者を探していた。日本では精子提供は匿名制、見つけ出すのは恐らくとてつもなく奇跡的なことかもしれない。
苦悩を聞いてしまったので、安易に精子提供って言われないで欲しいなぁ。
そうそう、なんで精子提供はいまだに匿名制なんだろう。産まれた子が苦労しているのに。まずそこ変えて欲しいです。精子提供するってことはいつか自分の子どもが訪ねて来る可能性がありますよ、ってくらい重みがあることなんだけどな。
数年後、アンケートに答えていた独身女性陣が結婚したらもう一度アンケートに答えて欲しいな〜。気持ちはとっても変わると思うので。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)