去年から新しい習い事に通っています。新しい人たちの輪に飛び込んだわけですが、興味深いことがたくさん起こります。
自己紹介みたいなものがあり、どこに住んでるの??子供はいるの?を連続で聞かれます。
次に必ずと言って良いほど「子どもいないのに、毎日何やってんの?」という質問があります。こうして習い事に来てるじゃないかっ!
聞く側は、聞く前から「優雅だね、仕事もせずにダラダラしてるんでしょ〜」ということがイメージされているので、その考え方を覆すのは難しい。相当の説得できる回答が必要です。
しかし、毎日何をやっているかなんて、ハッキリ言ってお前に関係ないじゃん、って話しです。
私はもっぱらこんな風に答えてます。
「ガーデニングとかお料理教室に行ってるんですのよ」
不妊治療で病院通い、なんて言ったらしらけることくらい私だって知ってますから。
しかしほんと、専業主婦ってひどい見られ方されますね、仕事辞めて気づいたよ・・・。特に男性からはひどい扱いされます。
「専業主婦なんて子どもと一緒でしょ」
「旦那のお金使って習い事?」
「毎日暇でしょ?」
「いいよね〜ずっとバケーションだもんね」
などなど・・・まったく失礼な言われようです。
何かを見下したいのかな?
要は羨ましいんでしょ、ってことにします。
「夫のお金使って・・・」という言い方については、謎です。ミステリーです。七不思議のひとつです。
どうしてそうなるのかな?
まるで専業主婦は無償で働く奴隷のように言いますよね。そんな考え方してるからいつまでもお前は独身なんだ!!と言い返したいけどやめました。だって、せっかくの新しい場ですから。
日本の女性管理職の割合は6.6%(2013年厚生労働省の雇用均等基本調査)です。そんな日本で年収によって夫婦の立場に差があると考えての男性がいるのならば、恥ずかし過ぎです。平等ならまだしもそんな有利な立場から言われると冷めます。一回女性になってみろい。
その夫婦の事情はその夫婦しかわからない。病人っていつも青い顔して車イスで行動しているわけではありません。
身体的なハンディキャップは目に見えますよね、
しかし、ほとんどの病気は外見では判断できないものです。
元気に笑っているからって病気ではない、悩みがないって決めつけないで。仕事を辞める理由はグータラしたいという理由以外にたくさんありますよ。ぜひ、想像力を養って下さい。
お互いの得意な分野を補うってシンプルですよね。一緒に生きて行く上でリレーションシップは大事です。私は他人をサポートするのがもともと好きな性格です。自分自信がキャリアウーマンになりたいと思ったことありませんが、彼の出世にはとても興味があり、それが自分の幸福でもあります。おしんのような昭和の女、つくしん坊。もってこいの妻役です。夫は素直に私のアドバイズを聞きます。箸の持ち方、食べ方、感謝の気持ちを忘れないことも、すべて教えました。
私たちはお互いに助け合って成り立っています。金を稼ぐ以外に価値があるのです。
夫婦の事情をいきなり会った人や仕事関係の人にペラペラと話すなんてことは無い、と悟ってほしい今日このごろ。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)