つづき
そのままのパジャマ姿で夫とタクシーの乗りこみ、近くの救急病院へ。
タクシーから降りて、かなり「くの字」でたどり着いたが受付で説明ができないくらい痛い、
「子宮腺筋症があって・・・月経のような出血で・・・2時間前から・・・ロキソニンは飲んでいるが効かなくて」と意識もうろうのまま言う。体温計をもらい血圧を計るように言われる。
熱はなぜかあった。血圧は普段80−50なのに110ー70でびっくりしたことを覚えている。
椅子に座り「ううううううううう〜」「うううううううう〜」と(できるだけ小さい声にしたつもり)耐えていた、夫は隣でさすってくれた。この時は痛みマックス10のうち10。
30分くらいで呼ばれる、早い。助かった。死ななかった。。。
産婦人科の若い女性の先生の問診が始まり、声も震えながら答えていった。「妊娠のご経験は?」というところはとても長くなってしまいそうで、うんざりしたが、「8w、8w、25w」と言って不妊治療中であることも説明した。
それよりも痛み止めを先に・・・と頭の中では思っていたが、問診は果てしなく長かった。
この痛み、子宮以外に出血していて大変なことになっていないか、と不安だった。
診察の結果、子宮は通常4センチほどだけど8センチに膨れていて、4センチの固い壁ができているとのことだった。
1:30 痛み止めの座薬をして様子を見るように言われベットで待たされた。
2:00 座薬は全くと言って良いほど効果なく、痛みが増し、さっきより悪化。ナースコールで、痛み止めの点滴をお願いした。
2:15 先生が全然こなくてナースコールを再度する。「今、用意してますよ〜」と蕎麦屋の出前的な感じで、もう死にそうだった。この時が一番痛みがひどかった。痛くて涙が出てきた。さっき10だと思っていたけれど、さっきのは7くらい、10はこれだ・・・。
しつこい私に「はいはい〜〜」と先生と看護師さんが来て点滴をしてくれる、ホッ・・・良かった。もうクタクタです。
2:45 痛みが収まらず、泣き叫んでいるといつの間にか男性の先生がいた。先ほどの女医の上司らしい。点滴2回目。感染症とかあるかもしれない、とのこと。もう話すことは不可能だけど、またもやいろいろ問診がある。25wの死産についてどういう状況だったか、今までの妊娠は人工授精か体外受精か。以前腹腔鏡で子宮内膜症の手術しているがそれはどんなことをしたか。などなど。あと最後の性交渉はいつ?とか。感染症を疑っていたので夫が浮気して変な病気でももらってきたって思ったんだろうね。後で冷静に考えてわかった。
私が話せないため、夫に聞いていたが、「腹腔鏡・・・?んーー、手術してないと思います」とか答えてて医師たちを混乱させていた。それでも私はもう何も言えなかった。
3:15 痛みはおさまりつつあった。点滴ってすごいな。座薬を処方しますからもらって帰ってくださいね、と先生。まだお腹は痛いが、今私にできる処置はこれで限界なんだろう、早く帰って安静にしよう、眠りたい。看護師さんが会計と処方箋を夫に渡そうとしていたが夫が全然起きない。「ご主人、ご主人、ご主人・・・ご主人!」と聞こえる。家のソファーで寝ている時と同じだ。やつは起きない。で、夫はやっと起きて処方箋をとりにいった。
つづく
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1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)