今日も寒いですね!!!寒いの大嫌いな私は家から出ないで猫のように朝から晩までヌクヌクしていたいです!
不妊には直接関係ないのですが、「修復的対話」って知ってますか?とても興味深いセミナーでした。
パネリストはソーシャルスクールワーカー 山下英三郎先生と、弁護士の山田由紀子先生、大学教授 梅崎 薫先生。
修復的対話とは、画像の鳥のように対立関係のふたつが対話をするというものなんですが、、、例えば、少年犯罪などでひったくりにあった被害者おばあちゃんと加害者少年がこの修復的対話をすることによって、自らの気持ちで謝罪したり、相手への敵意が減少するらしいのです。
ほんと??疑問が残る中で実際に私たち参加者もロールプレイで体験しました。テーマは、いじめ。ファシリテーター(ソーシャルスクールワーカー=SSW)、教師、被害者、加害者、その親、をそれぞれ演じることに。SSWは中立的な立場、学校側でもなく、加害者、被害者どちらの味方でもない。それぞれの意見を聞き出す進行役です。
「いじめている側が謝りなさい!」という考えで謝らせるのはよくあることですが、まず悪いことをしたと思ってないのに親や先生(権力者)から言われて上辺だけで謝っても何の意味もない。自分でしたことが悪いと思わないと、自分がしたことが相手を傷つけたと気づかないと標的を変えるか、もっとひどくなるだけです。
お互いが語りの中から知らなかった事実を感じ取ることができて、これからどうするかを自ら決めてもらうところまできたら、自然と謝罪の言葉が出るそうです。解決ではなく、このプロセスが大事。
修復的対話にはコツがあります。それは、Iメッセージ。
あなたは最低な人!あなたのせいでひどい目にあった、などという「あなた」を主語で語るのではなく、私はこんなことをされて◯◯と感じた、私は◯◯と思ったと私を主語で語ることです。相手を責めるために対話する訳ではないというのがポイント。
もうひとつは、批判の仕方。行動(かつあげとか、靴を隠す、牛乳をかけるなど)を批判するのは良いけれど、人格否定はダメ。
これ・・・夫婦喧嘩でも気をつけるところですね。「あなたはいつもそうなのよ!」と言ってしまうけれど、これは人格否定なので、言われた人は何がいけないのか不明のままです。
例えば、妊娠判定日
どうして病院に一緒に来れないの?あなたいつもそう。(youメッセージ、人格否定)
↓
先月は病院に来てくれなかったけれど、今月は心細いから一緒に病院に行って欲しい。(Iメッセージ、行動批判)
ちょっと違いわかりますか?
人は、知らないことで不安が生じる生き物。知ることによって不安がやわらぐと先生方。
たしかに、少年犯罪やいじめに限らず、相手のことってわからない!
左の絵、たくさんの人がいますけど、外見だけしかわからない、背負っているもの、家庭の中まで見えない。
不妊の話しにまた戻りますけれど、軽い気持ちで「主婦っていいね」「仕事してないの?暇でしょ」って言葉は、不妊治療のために退職した女性や、仕事につきたくても両立できずに断念した女性にとっては、苦痛の言葉です。
ほとんどの人が不妊治療でどのくらい通院するか、何本注射をするか、何時間待つかしらない。夫でも知らないくらいでしょう。(夫は理解しててほしいけれど)
その背景をもしも知っていれば、そんな言い方にはならない。
世の中には対立関係がたくさんあります。できれば対立しないでストレスを感じず過ごしたいですよね。相手を知ることから始めれば、きっと感じ方変わってくると思います。
悪化しそうな関係ってありますよね。友達なら距離を置くとか、状況によっては縁を切ることもできる。でもこれから先も関係が続く親や義理親、夫婦などはそうはいきません。自分の状況を話してみるのもひとつの方法。
「子供はまだ?!」事件を例にすると、聞いてくるほとんどの人たちが不妊治療している背景を知らないですよね。親ならば「子供を作る気がないのかしら」「真剣に子孫のこと考えているのかしら」・・・と不安になる。一方、言われた方は「子供は?!」という今一番聞かれたくないこと。子供はいつ授かるのかという質問を毎日問いかけているのは私、知りたいのは私なんです。
突然そのワードを出されると「人の気も知らないで!!!」ってことになります。
でも他に聞き方って・・・難しいよね。「そろそろ考えてるの?ほら、あれよあれ」とか遠回しでも結局はいい感じはしない。
では、「なんで子供は?って聞くの?」と聞くんでしょうか。
逆に親や周囲の人、上司、友達が「早く子供作んなよ」とプレッシャーを与える理由や背景って知らないですよね。それを語って貰えば、そっち側の事情がわかって敵意は減少するというのがこのセミナーで学んだことです。
知ってもらうには、こっちも情報を発信しなければいけない。手紙でもいいし、夫からでもいいし、
もしも想いが同じなら、敵対しないで仲間になれればいいよね。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)