児童養護施設を退所した若者を支援する団体があります。リーダーやスタッフは施設で育ったことのある当事者が中心になって、同じ悩みを持つ人のケアをしています。不妊の悩みも、不妊を経験していない人にはなかなか話せないものですよね。
私はそこのメンバーになっていて、ボランティアをしたことがきっかけで数年のお付合いをさせてもらってます。
年に数回、児童養護施設の高校生を対象にしたイベントがあります。今回はBBQ&語りを開催しました。
このイベントは、卒業を間近に控えた同世代の子を集め(施設・里親育ち)、退所したらどうするか?どんなことが不安?準備どうしてる??という素朴な疑問を共有し情報交換することが目的です。
どの子も、、、本当にいい子なんです。いい子って子供らしい元気な子、素直な、おしゃれな、女子男子を意識する普通の高校生。街を歩いている高校生をなんら変わらない。
卒業後の先輩も参加して、「ひとりで暮らしてみてこんなことあったよ」という立場で経験談を話してくれました。
雑談もあったり、おにぎり作ってみんなで食べたり。。音楽って不思議な力あるよね。ギターを通じてすぐに仲良くなる。経験者の語る言葉はきれい事だけじゃなくて、リアルな体験。来年卒業する彼らに何かが届いてくれればいいな。そして、BBQの後には事務所に戻って自分たちのこと真面目に語ってもらいました。
テーマは「虐待ってどうやったら無くなる?」「虐待のことどう思う?」
普段なら触れないテーマ、タブーかもしれません、でもそこをあえて、彼ら同士で話してもらう。当事者同士だから話せる。
私たち大人はその声を一つずつ拾っていく責任があると思いました。
タイガーマスク現象やアイスバケツチャレンジなどで一瞬は世間の話題ひきますが、ボランティア活動や寄付の95%は続かないらしいです。まず私にできるのはこの活動を続けること。
参加してくれたみんな、本当に本当にありがとう♪
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)