いつもお世話になっている立正大学の小澤教授からお誘いを受け、日本キャリア開発研究センター主催の「ケビン・グラービン博士によるライフデザイン・カウンセリング実践ワークショップ」に参加してきました。二日間、合計10時間!
ケビン博士がアメリカから来日することは大変貴重なことらしく、せっかくの学べる機会ということで50名ほどの各方面で活躍中のキャリアカウンセラーさんや大学の先生などが集まりました。通訳付きの講義です。
キャリアというと不妊との関係は深く思えないかもしれませんが、キャリアとライフは密接な関係があり、当然ですが、ライフイベントによってキャリアが変化します。
不妊治療を始めて両立に苦労したり、フルタイムをパートにしたという人は多いですよね。不妊によってキャリアが途中で途絶えてしまうこともあります。(女性だけですが・・・)そればかりか、不妊に悩む前と後では、考え方が変わりませんか?他人の苦しみを想像できるようになったり、安易な言葉がけをやめたり、小さいことかもしれませんが、それが人生の考え方に影響与えていると私は思います。
この「ライフデザインカウンセリング」は、カウンセラーの質問に答えていくうちに、クライエントがストーリーを自分の言葉で確認し、気づかなかったことに気づきを得る、発見のあるカウンセリングです。
ケビン先生がカウンセラー、受講生の1人の素敵な女性がクライエント役となり、本当の悩みでデモンストレーションが始まりました。
子供の頃に憧れたヒーロー、ヒロインは?
好きなテレビ番組は?
好きな格言は?
好きな映画やドラマのストーリーは?
という一見、楽しい何気無い質問です。
不思議と、、、本当に不思議と、涙がポロポロ。楽しい質問なのに、涙が・・・。
最後の質問は、「子供の頃の小さなストーリー(エピソード)は?」でした。
それぞれの質問に意味があり、目的があります。どうしてそのヒーローが好きなのか。どんなところがそのテレビ番組で好き?質問は細かく繰り返されます。
子供の頃の辛い苦しい記憶を思い出して治療するトラウマ療法がありますが、このライフデザインカウンセリングは安全に話しをするという点で違うそうです。
私も自分の好きなテレビ番組やストーリーを考えてみました。きっと会場にいた受講生が自分ならどう答えるだろうと考えながら見ていたと思います。
20代のころは主人公が出世していくキャリアサクセスストーリーが好きでした。定番ですが、摩天楼はバラ色にとか・・・。でも先日改めて観ましたら、あまり共感、感動できなくなっていた。月日が経ち自分自身の興味関心も変わったようです。結局、今は「私の中のあなた」というヒューマンストーリーかな。キャメロンディアス演じる母親は、余命わずかの娘のためにすべてを捧げ希望を持ち続け、娘を写真に収めたり、娘の恋愛を見守ったり、普通の女の子のようにさせてあげたい、もうあとわずかの命だから、いっときいっときを刻もうとする。その母親の姿が・・・本当に泣けます。これも久々に観ましたが、ストーリーを知っていても号泣でした。
研修証明書をいただき、無事終了。日本ではまだ聞きなれないライフデザインカウンセリングですが、これから広がってほしいです。
最後にケビン先生は受講生に、「キャリアデザインカウンセリングをぜひ頑張って活用してください、信じています。じゃないとまた来日しなければいけないからね」と言って笑わせてくれました。
とても温かみのある良い人でした〜。
本も発売していますので、気になる方はぜひ。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)