溺れる者は藁をも掴む
【読】 | おぼれるものはわらをもつかむ |
【意】 | 溺れる者は藁をも掴むとは、人は困窮して万策尽きたとき、まったく頼りにならないものにまで必死にすがろうとするというたとえ。 |
嫌な言葉ですね。
私の父が癌になったとき、これは体に良いあれは良いと色んなものを親戚友人から情報が結集されました。医療行為以外にもたくさんのものが世の中には存在しているんだな〜と知ったものです。
不妊も同じ匂いがします。
日本のART(高度生殖医療・体外受精)の件数は世界トップ。今や不妊産業は1000億円を超えると言われています。すごいですね〜(不妊大国ニッポン週刊東洋経済eビジネス新書No.19)
そこにサプリや、ドリンク、お茶、入浴剤・・・待ち受け画像や不思議な人形・・・
検索すると妊娠できるカウンセリングなんていうのもありました。一体どうやって?!潜在意識の矯正のようですが・・・
健康は妊娠に直結しますから、健康な食事や運動を心がけることは大賛成。子宝草や赤富士など妊娠した人からのおっそわけも微笑ましい。しかし、カウンセリング受けただけで妊娠するなら病院いらないですよね。
何かにすがりたい気持ちはわかります。どうにかここから脱出したい気持ち。年を重ねて焦ってしまう。
でも見極めてくださいね。不妊患者相手の商売は儲かる・・・そんな風に思われるの本当に嫌です。でも、そういう業者はいるんです。
私のfacebookタイムラインに、赤ちゃんを抱く芸能人の画像が頻繁に流れてくるようになりました。なんで?こんな赤ちゃんどアップ画像なんぞ見たくも無いわって時に勝手にターゲティングされて「広告」が入って来る。妊娠したいとか不妊で悩んでいる人ってのは、そういう画像すら見たく無いってことを考えもしなく、ただ商品を売りたいだけの一方的な押し付け。芸能人も勝手に写真を使わたり迷惑なんだと思うけれど。しかもその広告、「これを飲んだら3ヶ月で結果が!」とか、「長年の不妊治療でダメだった私が」とか安易すぎ・・・心のすきまに入って来るようなフレーズばかり。
コンプレックス系のものはひっそりとひとりで購入することが多いですよね。妊娠できないという自分を知られたくないという心理につけこんで、「これいいと思う?」と友達に相談できないことが、このような商品が滅びない理由です。
じゃあ何をしたらいいの?って思うかもしれないけれど、30分ウォーキングをする方がよっぽど良いです。お腹ひっこめて大股で子宮周りの血流を意識。1日1回脈拍数をあげて体温を上げます。
溺れるものは藁をも掴む・・・まったく頼りにならないものにまで必死にすがろうとするというたとえ。
不妊大国ニッポンと言われてる国だからこそ、私たちは冷静に見極める力が必要です。
(コウノトリの会お知らせ)
少人数のお話会です。
不妊治療やめどき子羊会
日時:12月21日(水曜)14時〜16時
場所:港区白金台
対象:不妊治療をやめようか迷っている方、いつまでしようか先を考えている方。
参加費:3000円(リピーター2000円)
お申し込みはコウノトリこころの相談室HP
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)