前のブログの続きです。
英会話学校の初級クラスメート(推定55歳くらいのおばはん)の話。
先生「今日のトピックは、自分の家の窓の外から見えるもの、あなたの家から見える面白いものありますか?」(初級クラスなのですごく簡単なトピック・・・)
おばはん「見えるではないけれど、聞こえます」
先生「What?」
おばはん「子供を怒鳴る母親の声と子供が泣きわめく声が、、、毎日のように聞こえます。とても大きな声です」
クラスメート一同「(しーん)」
先生「それは深刻なケースだ、どこの家かわかっているの?」
おばはん「はい、だいたい、すごくひどい声です、大きいです」
なんか、その、すごいうるさいと言ってる割にはこのおばはん何も行動してないぽいので
わたし「あなたは児童相談所に通報しなければいけない」と言いました。英語なので、ダイレクトしか言えない。
おばはん「えっ汗汗、でもハッキリわからないし、え、え、わたしが??」
と急に私関係ないし〜と態度を変えオロオロ、こんなトピック言わなきゃよかったと思ってたかも。
偶然にも英会話の先生はスウェーデン人。スウェーデンは35年前に子供への虐待が法律で禁止された国。街中で子供がたたかれたり怒鳴られている姿は見た事がないらしい。先生もスルーはできない。
おばはんの気持ちはわかる、一般的な今の日本人の考えなのかもしれない。面倒なことに関わりたくない。確信はない。間違っていたら。いろいろ考えて忘れてまた日常に戻るんでしょう。
わたし「なぜ通報しないの?」これまたダイレクトに聞いた。
おばはん「虐待かどうかハッキリわからないから・・・」(さっきまで子供が泣きわめく声が毎日のように聞こえると言っていたのに)
わたし「違う違う違うよ、それはあなたが判断することではないですよ」
先生「各機関が判断します、あなたはセンター(児童相談所)に電話をするだけ」
わたし「通報することによって、いろいろな自治体のサポートを受けられるかもしれない、相談をすることができる」
おばはんは「母親はサポートを必要としていないかもしれない・・・わたしはわからない、わたしはわからない」I dont knowを連発。
わたし「子供は必要としています」
おはばん「・・・う、うん」おばはん仕方なく頷く。
児童相談所全国相談ダイヤル
0570−064−000
匿名でも大丈夫です。
おばはんを問い詰めたようになったかもしれないけれど、推定55歳でしょ、大人じゃん。この一件で、通報しない人の心理を目の当たりにしました。もしもそこの子供が虐待死した時、このおばはんは同じことを言うでしょう「ひどい泣き声と怒鳴り声が聞こえていたんです、おかしいと思ってました」と。
虐待を疑ったら通報することは国民の義務です、国民ひとりひとりに判断するような重い責任を押し付けていません、児童相談所に知らせるだけです。疑いでもかまいません。
SOSを待っている子供がいること、通報によって救われる命があることを知って欲しいです。
ちゃんと国民の義務にされています、する、しないではありませんよ、義務ですよ。児童福祉法第25条をおさらいしましょう。
児童福祉法第25条の規定に基づき、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、全ての国民に通告する義務が定められています。
児童福祉法第25条(要保護児童発見者の通告義務)
要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児
童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない(抜粋)。
児童虐待の防止等に関する法律第6条(児童虐待に係る通告)
平成16年の改正で「虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けたと思われる児童」に改められました。
この画像は韓国の虐待防止キャンペーン「児童虐待は、あなたが止められる」というソウル市内に張り出されたスクリーンです。
人が立つと子供と親の間に自分の影が映ります。他人ごとではなく自分ごとを可視化することによって、子供のSOSを通り過ぎないようにするメッセージが込められています。
日本だって、ひとりひとりの心がけでまだまだ変われる!
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不妊・不育カウンセリングルームMINTBABY

1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)