夏があっという間に終わりましたが、先日鰻をたべたい!!!と駄々をこねて、不妊カウンセラー学校の同期3人で鰻を食べるために老舗鰻屋に行ってきました。やっほほーい。
私たちは皆、不妊当事者です。不妊の自分を恨み、苦しみ、悩み、そして今はそれぞれ当事者支援の活動をしています。4年前に卒業してからもずっと続いている交流。
話はもちろん不妊の話、当事者支援者としての課題などなど真面目!
そこに、隣に座ってた老夫婦がちょこちょこと話かけてきて、「若いっていいねぇ〜」など、一体私たちを何才だと思っているのか。「あの店はうまい、この店はうまい、週に2回はうなぎを食べている」と自慢話を優しい友達が相手をしていたんだけど、
なんと老人が帰るとき「結婚してできれば子供を産んでほしい」と言われました。え!こういう人、まだいるの!!!天然記念物、トキ?
完全に、チーン、おわった。
老人はもちろん我々が不妊体験をもち、暗いトンネルの中を歩き、長いこと悩み、いまも悩む当事者たちをサポートする必要があると感じ不妊心理を学び、活動を始めているということは、まったく知らず。。。。
運悪く、私たちに言っちゃった?
いや、、、運悪くではもう無いですよ、
先日発表された最新データでは23人にひとりは体外受精で生まれています。全国平均なので、東京ならもっと多いでしょう。体外受精が23人ということは、人工授精はもっといますよね。不妊治療で通院している人はもっともっといるでしょう。
そこで、天然記念物撲滅のために「私は何年も不妊治療しています。どんなに望んでも努力をしても赤ちゃんは授かりません。産めない自分が苦しく、責め続けています。それなのに子供を産んでほしいなんて今会った人に軽く言われて、悲しくなりました」とは言えなかった。
しかし私は二度とその老人には会いたくないし、どんだけうまい店を知っていようと、金があろうと、一瞬で軽蔑してしまった。
上司とか、親戚というのはあるけれど、こういうケースもあるのね。世の中、油断ならないです。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)