先日、東京都ゆる育児研究会に参加しました。かわいいカフェです。
この会は去年から続いているもので、ママリングスの落合さんが主催し、参加者は子育て支援、子供虐待防止、児童養護施設職員、児童相談所職員など様々な分野の人が集まっています。毎回テーマを変えてそのテーマに沿った専門家または当事者を迎えてお話をしてもらい、その他のメンバーは自分の知らない知識を深め、自らの支援に役立てることを目的としています。
今回のゆる育児研究会のゲストは二人の里子さんを育てる里親さん。社会的養護や里親制度のことも含め、里子さんを育てた実体験をもとに話をいただきました。
里子を迎えるまでの経緯や、迎えた直後の苦労、数年生活して家族としての思い。。
その家庭ひとつひとつにドラマがあると思うのですが、どの家庭のドラマもすべてが真実で、一般的に里親家庭はこういうものだと決めることはできないけれど、私は今回、里親家庭を少しだけ垣間見ることでたくさんのことを学ぶことができました。
赤ちゃんから育てるのは大変です。ですが中途養育も大変。親が他にいて里親という立場なら、想像しきれないご苦労があるでしょう。
なぜ苦労をしてまで里親をするの?と思う人がいると思います。
私が里親さんを見ていて感じたのは、一緒に生活することで子がどんどん変わっていく、このことが嬉しいと感じる親心なのかな、とってつけたような感謝の言葉がなくてもその子の変化は明らかで、里親さんの愛情が映しだされた賜物。きっと子の変化そのものが里親さんの心を動かしているのだと思いました。
そして、里子さんの作文。これは・・・感動しない人はいないでしょう。里親・里子の作文(体験記)を掲載する冊子に、たまたま里子さんの作文が掲載され、それを里親さんが私たちに読んでくれました。作文には、施設にはないこの数年の”家族”の暮らしが自分にとって大切な時間だったと書かれていました。
里子、里親関係は18歳までです。この先里子さんが独立しても、戻れる場所のひとつとして里親家庭があるというのはとても大きな支えですね。
常に親がいるのが当たり前だと存在価値に気づくのは難しいかもしれないけれど、親の存在は40歳になっても変わらず大きい。父が今も生きていてくれたらと思うことはあらゆるシーンであります。継続的に見守ってくれる人の存在。それは友達だと難しいです。時が経過してライフステージが変わると友達の都合は変わっていきます。
私は、結局のところ育ての親や配偶者、子という家族しかいないと思うから、パーマネンシーケア(永続的)を重視した家庭をすべての子供に・・・。それが願いです。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)