術後の病人の気持ち

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術後2日目からおかゆが白米になりました。早いね。

私の目下の目標は、入院病棟のフロアを10周歩くこと。歩くことで腸を活発にさせて成長に戻すためです。これは、ほんとに重要。人として重要。以前の腹腔鏡の手術後はそこがうまくできなくて熱が出て腸炎を併発し、入院期間が3日も伸びてしまいました。なんとしても今回は予定通り退院したい!

食べることも大事なんだけど、もっと大事なのは「出す」こと。

緩和ケア病棟でボランティアしてる友達の言葉です。80歳以上だと出す力がなくなり、それはそれはみなさん苦労されているようです。

朝昼晩の食事が運ばれると目は食べたいと訴える。食べるけれど消化せずに胃に溜まっているからひどい吐き気・・・船酔いとかつわりを思い出す。このまま腸が動かず出なければ最悪の事態は「カンチョウ」をしなければいけない・・・いやだ、それは絶対に阻止したい!!

 

下界(1回の売店)に買い物に行ったら、ちょっとだけ社会と離れていただけなのについていけないこのスピード。みんな動作が早い。怖い。パジャマにガウン姿の私を押しのけてエレベーターに乗る人も。ぶつかったら怖いのではじっこを歩く。

病人になって初めてわかる病人の気持ち・・・

入院生活中はきっと時間があるだろうと角田光代の小説などを持ち込んでいたんだけど、ゆっくりのんびり優雅に過ごしている余裕はなく、不自由な身体との戦いが続きました。世の中はクリスマスから年末、一気に慌ただしく、少し浮かれる華やかなこの季節。病室内は異空間だな〜。

 

そして入院の時に思い出すのは、ガンで他界している父のこと。また今回も思い出した。きっと、思い通りにならずに嫌だと思ったこともあっただろうな・・・と。元気に暮らしていたのに「あなたは末期ガンです」と宣告されて急に手術や抗がん剤治療、あれよあれよと言う間に病人。ちょっと風邪ひいても熱出て入院。がっかりしてたと思う。54歳だったから。まだまだ自分の人生は続くと思っていただろうし。

あの時、その不安とか恐怖、みんなより先に死ぬ寂しさ、聞いてあげた人はいたのだろうか。私は、ただ元気に振舞おうとしてわざと病気の話は避けてたけれど、それでよかったのだろうか。

他界して9年経過しても正解を探してしまう。もう少し患者の気持ちになって自分も勉強すればよかった。

 

ちょっと弱気な術後つぶやきでした。

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