相談室開設のきっかけ

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コウノトリこころの相談室を開設したきっかけ

2度の流産のあと、死産を経験しています。日本でできるほとんどの不妊治療はしてきたと思います。妊娠中も不育症の治療の血流をよくするためにヘパリンを12時間置きに自己注射をしてました。お腹はアザだらけになったけれど、赤ちゃんの成長が何よりも嬉しかった。でも、7ヶ月に入った頃、赤ちゃんは生きて産まれてくれませんでした。「赤ちゃんは親を選んでやってくる」という言葉に意味を探し、たくさん涙を流しました。当時私を全力で支えてくれたのは夫、そして死産当事者からの喪失のケア(グリーフケア)でした。あの頃からは想像もできないくらいたくましく快復し、現在は外を歩いたり、友達と会って笑ったり、テレビを見たり、生活は戻っています。子供を失ったことは人生の中で最も悲しい出来事で、私が死ぬ時に一番つらいこととして思い出すでしょう。日常生活が送れないくらいつらい出来事なのに、周囲からは「そっとしておいた方がいい」「その話しはしない方がいい」「早く忘れた方が良い」という対応が多く、そこには寂しさも違和感もありました。今、死産を経験をした人に何ができるか・・・、それは忘れることでもそっとしておくことでも無く、思いっきり悲しみ、共に語ることだと感じ、そんな場を提供していくことを目的として「コウノトリこころの相談室」をはじめました。流死産のグリーフケアを主に取り入れたのはそのためです。