先日4月26日のNHKあさイチ「知ってほしい!養子と里親」は観ましたか?
乳児院で育った川嶋あいさんと、専門家として日本女子大学教授、林浩康さんがゲストでした。
番組内では養子を迎えた家庭、大人になった里子、養子縁組あっせん団体、乳児専門で預かる福岡の見習いたい制度、乳児院スタッフの声が丁寧に取材されていて、盛りだくさん。
生みの親の部分以外は網羅してると思います。長いけれどきっと一部分だけ放送すると誤解とかあるから、色んな角度からの取材をされたのかな。わからない人に向けた良い内容でした。
女子アナの有働さんが40歳ころにアメリカで暮らしていた時のことを話してました。養子を迎えた出来事をハッピーなこととしてみんなが喜び、協力し、チームで育てている印象があったそうです。素敵。
国によって違う?いや、日本が異常な状態です。先進国では社会的養護について日本は10年、20年遅れていると言われてて、私は恥ずかしいです。困るのは子供だから申し訳ない。
育てられない事情があるなら、育てられる人が育てて一人前に自立させる。シンプルだと思うんだけど、日本は産んだ人(母親)が育てて当然!責任は親、教育は親!(養子に限らず)って考え方が根強い。国の未来を担うんだから、国が補助しても良いのに。こんな超少子高齢社会だのにね。
実際に子と一緒に住むのは親だろうけれど、子供をみんなで育てている意識を持つかということです。
育児はひとりだとしんどいけれど、地域でお隣さんとまたお隣さんと協力したり、時間空いてる人が世話していけば負担も不満も減ると思うんだけれど。そんな映画あったな・・・小林聡美ともたいまさこが出演している「マザーウォーター」。みんなで赤ちゃんを代わり番こに抱っこして、母親が誰か最後まで明かさない映画でした。
話をあさイチに戻します。。
里親は勇気がないわ〜、一歩踏み出せず、ということを有働さんとお笑い芸人の大久保さんの独身二人が話していました。私も一歩が踏み出せないのでわかります。が、それは大人の問題で、今も家庭を知らずして施設で育っている子がいるのなら、真剣に大人が考えないと!くらい児童福祉目線で誰か言って欲しかった。
民間の養子縁組あっせん団体はどうしてお金がそんなにかかるの?!という質問に対しては林先生が回答。国からの補助が一切ないため、予期せぬ妊娠をした女性の出産費用、入院費用は「養親希望者」が負担することになっている。と説明。
子供が欲しい、じゃあ不妊治療を自己負担でしてください。育てたい、じゃあ、予期せぬ妊娠にかかった費用を代わりに払ってください、って状態ですよね。
子供を作りましょう、養子縁組を増やしましょうと言う割には・・・海外と比較すると、だいぶ冷たい国。
川嶋あいさんは、育ての母親に対して、とても愛情をかけてくれたことが伝わったから、養子とかどうでもいいかな、って思ったと言っていました。お母さんは亡くなっているんだけれど、きっと天国で聞いていたら嬉しいだろうな〜。
結局すべてに共通してるのは!!!血の繋がりではなく、一緒の時間、愛情で「家族」になっていくということでした。相談室の養子縁組セミナーに来てくれるゲストの方がみなさんおっしゃっているのと同じですね。
あさイチの視聴者は私の独断と偏見によるとほぼ主婦、子ありでしょう。ご自身が養子縁組、里親をしなくても、知ることで養子と里子の環境は絶対によくなります。そういう意味では、大変意味のある特集でした!
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)