先日、下腹部の痛みに耐えかねて産婦人科にいったところ、子宮摘出の話が浮上したのですが(過去ブログ「急に浮上、子宮摘出」ご参照ください)
すると夫は珍しく「帰ったら話そう」と言いました。
で、二人っきりの家族会議をしたわけです。
まず選択肢は3つありまして、
手術(子宮全摘)
ホルモン治療
飲み薬
そして、4つ目はもちろん何もしないという選択肢もあります。(これはもう私に限ってはつらすぎるのでありませんでした)
子宮という臓器はご存知の通り「子を産む」時に活用する場所でそれ以外での使用方法がありませんw
子を産まないなら「いらない」という極論はあると思います。が、前回も書いたとおり、
私は子供を望んでいたのに産めなかった経験をしているので、子宮への思いが強いんです。妊活してからは子宮を大事に大事にしてきました。子宮のことばかり考えてきたと言っても過言ではありません!
不妊治療をやめたけれど、子供がいない人生を100%受け入れたかというと、わかりません。99%は受け入れている?はっきりと答えのないまま時は過ぎていました。
しかし子宮全摘すると、100%産めないわけです。もうこの世に自分の子供が存在しないんです。
不妊治療をやめたけれど、子宮全摘というのはどう思う?・・・と夫に聞いたら
「そうだよな、ちんこ切るのと同じだもんな」と言われました・・・・、ちんこ。
*シリアスな家族会議、夫は笑わそうとしているわけではないようです。
えっ?それシンボルとして例えるなら乳癌で乳房切除じゃない?外見は変わらないという点だと睾丸摘出じゃないかな?
ああ、でも・・・閉経すると女が終わったという人もいるよね。子宮は女の象徴か。そうすればペニスは男性シンボル。なるほどなるほど。
と、とにかく男性に例えると・・・という話を繰り返しました。彼なりに自分(男性)に例えて考えてみたんだと思う。夫がつらい状況を努力して想像していることは伝わりました。
で、更に、自然に閉経するのではなく、自分が手を加えて子供が絶対に産めない状態にするのは忍びない。勇気が必要。ということも伝えました。ここは一番私がひっかかってる部分でした。切腹するような、気持ち。
夫は、「それだけ子宮がダメージ受けてて、周囲の臓器にも癒着がある状態でこれから先にもしも、妊娠したとして産めるのかなってことだよね」
そう・・・妊娠じゃなく、出産!!!
出産するまでに9ヶ月はこの子宮の中で育つ。
正論だと思いました。
心の中で考えていたことは伝えられたと思います。そして夫の気持ちも聞くことができたので、
私たちはなかなか「対話」ができる大人に成長したんだなと思いました。こんな風に妊活を始めた頃に話せれば余計なすれ違いや温度差はなかったはずだと心底悔やまれます。
次回はそんな失敗ばかりの私からみなさんへ、家族会議で大事なポイントです。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)