里親へのアンケート結果、とても大事な内容がたくさんでした。里親さんの話はリアルに聞く機会は仕事上ありますが、困難なことは表立って言わない日本人の性格といいますか・・・預けられる子供の境遇を理解していればしているほど、もっと大変なのは子供の方だし・・・という気持ちでもあるのかもしれませんね。ただ、このように声がまとまればどんなことを改善するべきか、見えてきますのでぜひ私たちはこの声を無駄にせず、厚労省はここから策を生み出してほしいです。
居場所のない子どもたち
虐待などを受け居場所が無くなった子どもたち。そのよりどころとなる里親たちの厳しい実情が明らかになってきました。アンケートの詳しいデータはこちらのサイトで。
主なところ抜粋します。
困難に感じる理由
1位「基本的生活に難しさがある」52.5%
2位「愛着障害が見られる」50.9%
3位「ばれるようなウソをつく」39.7%
しかし自由記述欄には、やりがいを感じる意見がたくさんあった。
「里子は我が家をとても明るくしてくれている。子供にとっても、ありのままを受け入れ、大切にしてくれる家庭は絶対に必要だと思う」とか、「子供と接していくと可愛くて仕方なくなり、親子は血のつながりだけではないことを身をもって感じた」
また、その他の訴えとして
「親権が強すぎて、親が同意をしないばかりに面会もないのに何年も施設で過ごす子供がいてかわいそうだ」
「里親制度をよく知らない人が多く、里子を養育していることを隠す里親が多い。堂々と言える社会になればいいなと思う」
生の声、ごもっともだと思います。愛着障害があるのはなぜか、子供のせいではないですよね。施設での長期養育のことを真剣に考える時ですね。
里親を今の三倍にするという政府に対して、まだまだ現場は今までのやり方、考え方から抜けてないのを実感します。2016年5月に児童福祉法が改正されて2年経過しても、意識の変化がなく、「里子や養子に出す子はいないんです〜」と言ってしまう現実。諦めたくもなる…けど、この波を逃したら日本はもう国連から大バッシングで先進国の名を語れないので、ラストチャンスだと思っています。
もうひとつ動画です。NHKニュースおはよう日本(親が育てられない子どもを家庭に!里親連絡会さんのfacebookより)
不調の小学一年生の里子。
施設で上級生からいじめにあっていた。家に来てからは醤油瓶を壁にぶつけたりハサミを持ち出したり試し行動。数年後、断念し不調(委託を撤回)
不調するまで数年も頑張ったんですね。志の高い人がこうやって離れてしまうのは残念としか言いようがありません。私なら同様のことがあったら・・・自分がいけないのかなってだいぶ落ち込みそう、3ヶ月くらいでギブアップしてしまいそう。
アンケートでは相談するところがないと答える人が多い。困難とわかっているのに相談の仕組みがない。。相談っていざ窓口にいけませんよ、やっぱり訪問型じゃないと、何度も定期的に訪問があって信頼関係を築いて、それでこの人に話してみようかな、こんなこと相談しても良いかな、と思えるんです。機関に相談って不安とか勇気とかいるんです。
相談は児相が窓口だけど、また児相にあれもこれもというから現状こうなっているでしょ・・・もう児相はできないですよ。緊急性の高い虐待通報も全部やんなきゃいけないから。児相はよくニュースになるけれど虐待通報があって訪問しても親に罵倒され門前払。そのうちに子供は死んでしまう。何をやっているんだ児相!って非難轟々・・あれ、あの役、おれおれ詐欺に搾取される若者を器用することできないのかな。あの詐欺集団って言葉たくみにあの手この手を考えて、相手の出方を常に考えてその上をついてくるから、玄関先で罵倒する親に立ち向かえないかしら。。。冗談です。
話もどして・・・
イギリスにはソーシャルワーカーがいるけど、日本にはそういう「行政」の仕組みはない。商店街など個人で運営する里親サロンは少しあるものの(ほぼ無性ボランティアだよねこれって)、それは当事者同士が話すもので、それでも無いよりましだけど専門的なサポートには程遠い。ベテランすぎる人の意見を聞いても、落ち込むこともあると私は思うな。訪問カウンセリングと里親や養親のおしゃべりサロンの2種類が必要。
すべては、子供に国の予算をかける姿勢がなかったから今滞っている部分が浮き彫りになってきてる、子供をはぐぐむために必要なお金を当ててください。それによって児相の人員を増やせるし、児童福祉の専門家の配置が可能になるんです。里親のフォローもそれに入ります。もちろん乳児は養子縁組の検討が必須です。子供に関わる職員への教育にもお金を使ってください。
これからは児童養護施設、乳児院がその委託後のサポートの役割を担うでしょうね、そうなるべきでしょう。集団養育ではなく、地域で預かってる家庭をバックアップする仕事内容にシフトしていく、専門家が地域とつながる良い形だと思います。里親を増やすことと同時に取り組む必要あるよね。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)