年末で華やかな時期だというのに、あまり盛り上がりません。
小さいことのミスが積み重なり、うまく進まないことが多いのです。
タクシー乗ったら遠回りされたり、レストランで頼んだものが間違って来たり、
大事なことで間違えないように注意して伝えていたことが間違えられたり、
どうしてこんなプチ不運な出来事が連発するんだろう。。。と。
ひとつずつはたいしたことではない、でも、しんしんと降り積もる雪のように重なると、私の何がいけなかったのだろうとけっこう凹みます。
そう・・・蓄積。
凹みの蓄積はなかなか他人には理解されず、
自分でも気づかぬうちに大きな雪だるまになっている。
これは不妊治療でも言えるな〜〜〜。
例えば、待ち時間2時間。これは当然のように修行のように待っていますが、よく考えると耐えがたい時間です。
それが大学病院の初診のように1回きりならまぁまぁ我慢できますが、毎度毎度、頻繁に通院しなくてはいけない不妊治療、2週間のうちに7回、8回、休みの日までそれで1日がつぶされると、イライラ蓄積の始まりです。
そしてそれが、今月だけではなく、来月も再来月も、終わりが不明でさらに不安。
できることがあります、それは、蓄積がたまって爆発する前に分かち合って半分にすること。
結婚する時に言われましたよね?
「幸せは2倍、悲しみは半分」と。忘れた人は思い出してみましょう。
月曜日「今日2時間待ったの、注射痛かった〜。」
火曜日「今日2時間待ったの、注射痛かった〜。」
水曜日「今日2時間待ったの、注射痛かった〜。」
不妊治療ってこんな感じです。
同じことだから伝えなくてもいいか・・・と思うなかれ。言葉で言わないとそこ苦労してるって知らないんです。
毎日こんなに苦労しているんだ、と知ることから分かち合いは始まります。
不妊治療が長期化すると不妊治療についての会話時間は短くなるという結果がありました。その理由は、治療のスケジュールがルーティンになり、だんだん慣れてくるから2人で確認しなくても良くなるからです。
スケジュールに慣れることは間違いありません、でも、それに比例して不安と焦りと悲しみは増え、蓄積されていきます。会話が減るのに不安と焦りと悲しみが増えるなんて、とても危ない傾向です。
意識して蓄積せずにその日の苦労はその日のうちに半分にしましょう!
でも、大変さをアピールしているみたいで自分からあえて言いにくいですよね。これを読んでいる男性諸君、「今日、病院どうだった?」の一言をよろしくお願いします。夫婦の絆が強くなるかどうかは、あなた次第です。
みなさん、今年も不妊治療お疲れ様でした。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)