不妊に悩むカップルは6組に1組・・・と言われてまもないのですが、
知らぬ間に5.5組に1組という数字がでていました。(第 15 回出生動向基本調査)
この調査の中の「夫婦調査」という項目が興味深いので共有しますね。
1.夫妻の結婚過程
夫妻の平均出会い年齢は、夫 26.3 歳、妻 24.8 歳で、ともに上昇(前回 夫 25.6 歳、 妻 24.3 歳)。平均交際期間も 4.3 年と伸長が続き、晩婚化が進行。
交際期間、4.3年って長いですね!
30代に彼氏ができたら、結婚は34歳・・・。この間に卵子老化は進んでしまいます。だからと言って早く結婚すれば幸せになれるというわけではないので難しい問題です。が、子供が欲しいなら妊娠の知識だけは男女ともにもっててほしい。結婚は考えているけれど、まだ結婚はしないというカップルは何がブレーキになっているのでしょうか。そこが社会的なことなら、変えていかないと不妊と少子化は止められませんね。または、結婚していて子供は欲しいけれど子作りはまだ先と考えている夫婦。妊娠の知識があってそうしているのと、妊娠適齢期があるなんて知らなかった!ではだいぶ違いますので、ご注意ください。
不妊検査、治療を受けたことがあるのは18.2%。5.5組に1組です(一人目不妊だと3.5組に1組)
自分の体の健康チェックのために検査だけ受ける人もいるから、治療してる人とはかなり差があると思うので、分けて調査してほしいですね。この分だと近い将来、不妊カップルは80%という誤解を招く数字になりかねません。癌を心配して癌検診を受けるのと、癌患者が治療をしているのは全然違うと思うのです。不妊検査はいまや健康チェック(ブライダルチェック)ですよね。
日本産婦人科学会の不妊の定義では、夫婦生活をもちつつも「1年」以内に妊娠しなければ「不妊」としています。そこと連動させて妊娠を望んで1年以上ですか?という項目をぜひ作ってほしいな。
いずれにしても、不妊を心配する人と、検査や治療という行動をしている人が増えているという結果でした。ここで注意したいのは、不妊検査をして異常がないと正常なんだと喜んでしまいがちですが、生殖分野の検査でわかることは限られています。これは癌検査と違うところです。異常がないのではなく、検査ではわからないこともあると思ってください。不妊治療が珍しくない世の中になると、「子供できないなら不妊治療すれば?」と気軽にいう人が増えます。不妊治療をして授からない人がたくさんいることを踏まえ、夫婦で子供についてどうしていくかを話し合って進んでいきましょう。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)