発言はいつもハキハキ、そして明るい笑顔、藍ちゃんのファンでした。他にも女子ゴルフ選手いますが、ダントツで藍ちゃんです!ラブ藍ちゃん。
私たちが結婚した時、老後二人で楽しむために・・・とゴルフレッスンに通い始めました。2003年でした。
この年、藍ちゃんのプロ入り、史上初の高校生プロゴルファーとしてあっという間に話題になりそのキャラクターから人気者に。私は勝手にお手本として応援していたんです。
プロ人生15年間・・・長いですね。私たちの二人生活も長いです。
引退会見インタビューでは15年のプロ人生を振り返った時に涙が・・・人は振り返ると、いろんなことを思い出して涙出ちゃいますね。
さて、ゴルフと不妊治療を比較したことが自らの体験からありました。
不妊治療は努力と結果が比例しないもの、というのは私たちを苦しめる大きな要因ですが、
ゴルフはその真逆。産まれながら天才っているかもしれないけれど、練習が正直にスコアに反映します。
運動神経が無いこんな私でもきっちり練習すればみるみるスコアが良くなるんです。
プロのように極めるまではもちろん大変ですが、素人が仲間とゴルフコースをまわれるくらい(他人に迷惑がかからないくらい)にはすぐなれます。
不妊治療していたときに感じました。
努力が結果につながる、ゴルフってシンプルだよねって。
探してみるとたくさんありました。料理、英会話、資格・・・
この「シンプル」は達成感を自分に与え、とても気持ちが良いし、自分に自信を取り戻してくれるもの。あまりにも不妊治療の世界にいた私は、このシンプルな感覚を忘れていました。
どんなにやってもダメ、努力しても傷つくだけ・・・という考えになってたんですね。
自分もまだ努力すれば叶うものがあるんだ・・・って思い出してからは、不妊は生殖機能の低下(不調)のことで、人として劣っているわけではないと「生殖機能」と「自分」の関係を「別」に考えられるようになっていきました。
当たり前なんだけど忘れてたんです。普通に妊娠する人がいる中で、どんなに頑張っても妊娠しない、まして流産・死産があると、自分のすべてがダメだと思っていたので。
そして藍ちゃんに戻ります。
そんなシンプルなものだからこそ、藍ちゃんはきっと限界が見えたのかもしれません。
妊娠は、ミラクルとか奇跡とか言いますけれど、ゴルフの世界にそんなものは無い。
記者から「引退」ではなく「休養」は考えなかったのでしょうか。という質問に対し、
「そんなに甘く無いと知っている」と答えてました。日々の練習がちゃんと影響するからこその発言ですよね。「迷ってるんですよね〜」と言わないのが宮里藍。プロは自分を知っている!!!なんちゃって。
「己を知る」って大事ですね。
不妊治療していると、つい追い求めてしまいます。
あの人があの病院で妊娠したから私も・・・
あの人があのサプリで妊娠したから・・・
あの人が45歳で妊娠したから・・・
自分の生殖機能のことを、客観的に冷静に医学的に見ることも必要ですね。自分を納得させるための材料にもなります。
藍ちゃんは大活躍して、私から見るとすごい成功者ですけど、スポーツの世界では次から次と上り詰めないといけない、結果を出し続けないといけない厳しい世界なのでしょう。
ひとり産んだらとりあえず達成〜というのとは違う。
「念願だったメジャー制覇には届かないままの引退」と書かれてしまう、アスリートの宿命かな。
誰しも人生の中で一線から引退する時がある、
不妊治療もしかり。
きっと年老いて人生を振り返った時、頑張っていた時期は「不妊治療をしてた時」と迷わず答えます。
藍ちゃん、お疲れ様でした。ゴルフ以外でも学ばせてもらったよ!!ラブ。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)