不妊治療費かさむ、それがやめられない理由にも

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不妊治療費は高額…というのは当然治療中の方の一番の悩みのタネですが、不妊じゃない、治療してない人にとっては「そんなにかかるの?なんで?病院なのに保険は効かないの?」というくらい関心はありません。

ガン患者以外が保険適用の抗がん剤がどれほどあるか、または保険適用外の値段を知っているか、と言われればそんなに詳しくないでしょう。

みんな自分のことではないと、なかなか意識はしないものです。私たちも自分が不妊治療するまでは、そんなことは気にしなかった…はず。

しっかり通院中は200万円限度額いっぱいに医療費控除の申請をしてましたが、役所から電話があり、
「これは保険適用外なんですか?こんなに?」と言われました。保険適用外だから困ってるんだけど、役所でも知らないんだ、それも医療費担当の方でも…

役所の方の関心にも止まらないというのは、イコール「国」の関心低いと感じてしまい、そこらの友達が知らないとは訳が違うって思ったの覚えてます。

日本は不妊大国といわれ、超少子高齢化、5.5人に1人が不妊に悩んでいるという状態です。国は夫婦だけに任せずなんらかの対策をしないといけないとは思います。産んでくださ〜いと言うばかりで増えてないんですから今までの対策では不十分なんですね。

今日のYahooニュース、

タイトルは「不妊治療、500万円保険きかず」

そんなに!!と思うかもしれませんが、取材された助産師さん(39才)は5年治療をされてきたと書いてあります。合計500万円というのはそれほど破格の金額ではなく、年に数回体外受精にトライするとこうなる金額なんですよ。

(記事より)
5年前に始めた不妊治療。
12年10万円
13年100万円
14年200万円
15年77万円
16年7万円
17年80万円

不妊治療の三大負担は経済的負担、精神的負担、身体的負担ですが、経済的負担の治療費がかさむと、こんなにお金をかけたんだから…となおさらやめられなくなる。でも年齢も一緒に上がってるわけだから妊娠の可能性は低くなっている。

人生初の体外受精は一回67万かかりました。大金です。

体外受精が不成立だと、またゼロからのスタート。こんなにお金と時間と痛みと、夢と希望と…でもそんなことは関係なく妊娠しません。

実際治療はしんどい、でも次こそは、という気持ちは生まれてしまう。なんとなくゴールインせずして何かを止めることって人生であまりないですよね。第一希望ではなくてもなんかしらの目標は達成してる。進学も、就職も、賃貸物件を借りるときも、交際相手も…第一希望ではなくても折り合いつけて進学して就職して家借りてる。でも赤ちゃんとなると、妊娠するかしないかの0か100しかないので折り合いつかないんですよ。

目標を達成できず「諦める」ではなく、他の生き方を「選択」すると思えれば、幾分気持ちに幅ができると治療から少し離れた今なら思います。

現実は、多くの夫婦がもしくは妻だけがいつまでこの高額な治療を続けるか決断しなければいけない。

それは、冷静になるのは難しいのですよ、子供欲しくて頑張ってきてる背景があるから。

でもぜひ、いったん立ち止まって夫婦で話し合う機会を作ってほしい。

「君が続けたいなら僕は稼ぐよ」という夫の言葉は、一見優しいですが、応援してるようで、相手に決めさせている言葉。決断は1人ではなかなか…

他のこと、例えば夫婦の楽しみ、人生の楽しみ、愛する2人が結婚した訳ですから、旅行や食事、たくさんのことしたいですよね。でもそこにかけるお金を治療費に回すしかない。他を我慢してでも払えるから続いてしまうこともある。でも人生はなんだか楽しみがなくグレー色…と感じてたことが私にはありました。治療できてる自分は幸せだと思うように必死にした時期。

「やめどき」を逃さないために回数や金額の上限を決めるのも効果があるかもしれません。

夫婦で話し合う時注意して欲しいのは、治療をやめるやめないの結果を出すことを目的とするのではなく、どうしてやめられないのか、続けるとどんなことが苦しいのか、そして辞めるとどんな苦しみがあるのかを話してほしいんです。相手がどんなことを思っているか2人で共有してほしい。
時にはカウンセラーを利用して、ギュッと凝縮した決められた時間内で話す手もあります。

長期的に治療をするのは先ほど述べた経済的、精神的、身体的にとても大変ですので、色々支援を利用して工夫してほしいです。

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