つづき
手術後、まだうつらうつらしている時に、夫に書いた手紙を差し出しました。昨日の夜に病室で書いたものです。
家族会議でも伝えていたけれど、文字だともっと伝えやすい。ちゃんと伝えたいことを書きました。
子供を望んで長いことがんばっていたのに子宮全摘という結果になって本当に残念ということ、
「いつか親になったら」という思いをずっと抱えていること、
この子宮腺筋症がなければ2011年の死産は起こらず、赤ちゃんを死なせなくて済んだかもしれない後悔があること
を書きました。
いつか妊娠、出産したら〜〜したいというのは妊活してれば考えますよね。
そのしたいことは、その夫婦それぞれで、いや夫婦でも多分細かいところは違います。
「いつか自分が親になったら…」
もう産めないと思った時さてどうしようか。忘れる、蓋をする、そんなこと簡単にできたらいいですね。
最後に、「いつか」夫と未来の子供についてではなく、見える子供の話しをしたい。と書きました。見えるというのは、実在する成長する子供です。
次の治療はどうするとか、受精卵が分割したとか、いつか子供ができたらという架空の話ではなく、この世で成長する子供の話を夫婦で悩んでみたいんです。
あらゆる場面で、子供に対してどんな言葉を夫は私はかけるのか、経験してみたい。
そんなことを話しました。
小さいメモのような手紙です。
読み終わった夫は「わかったよ」と言ってました。
21:00までいて夫は帰宅。お疲れ様です。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)