「子宮腺筋症」はあまり聞かない病名なのにコウノドリで取り上げられたテーマだったそうで、ドラマの中では子宮腺筋症を患っていた未婚看護師(吉田羊)が子宮全摘出をするという内容でした。
未婚なので妊活中の人とはだいぶ心情が違うけれど、「いつか」母親になるかもと思っている独身女性もたくさんいますので、そういうケースもあるよという注意喚起にはなったと思います。いつか・・・という無意識に描いていた生殖ストーリが変更されてしまうということも人生にはあるということ。
公園にいる子連れママたちが目に入り、
「お母さんになる人生とならない人生って何が違うんだろう」
という手術前の吉田羊のセリフ。ああほんと何が違うのだろうって・・・すごく違うと思うんだけど、生活スタイルはね。留学経験ありと留学経験なしだとそんな比較しない。父親はあまり言われないし。女性だけが子ありと子なし、まるで人としての価値が違うかのように問われることがよくあります。
マイノリティも関連してるよね。ほとんどの人が結婚し、出産するという昔ながらの価値観。
何も違わないよ。コウノドリのセリフは私たち視聴者に投げかけている感じがしました。
子宮内膜症は聞いたことあるけれど、子宮腺筋症って何?って人は多いと思う。もともとどちらも子宮内膜症と言っていたため、子宮腺筋症は最近のものと思われているけれど、病気はもともと存在していた。呼び名が同じだっただけ。
今回、子宮腺筋症の病や、子宮全摘出がテーマになって、選択までの葛藤や、病気を抱えて生活することが大変というのが知られてとても嬉しいです。痛い痛い痛いんです。みんな普通に過ぎていく月経が。お腹全体に増殖した筋肉が収縮する。そう月経ぐらいって思う人が多いから、我慢して仕事するしかない人たくさんいます。月経痛がひどい人は身体のサインだと思って妊活してなくても一度病院でチェックしてね。
私が入院したタイミングもそんなテレビ放送の後だったので、とても理解してくれる人が多くて助かりました。感謝。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)