人生の中におめでとうって言われること、言う場面ってありますが、今まで一番「おめでとう」と言われたのが、やはり・・・結婚式です。披露宴したので当然ですが、一斉に祝福されます。進学も就職もおめでとうって言われるけれど、なんとなくあれば家族内のお祝い事という気がします。
次に、人生の「おめでとう」はもうおわかりでしょうが・・・子どもの誕生ですよね。
結婚は自由とか、子どもを産まない人生もあるとかいくらいっても、結婚、出産は人生の不動2大おめでとうイベントだと思います。
私たち夫婦は結婚から14年、ずっとおめでとうがない暮らしを生活していました。こう書くと、すごく寂しい家だけどでもそうなの。プチおめでとうはありました。私が資格を取得したり、夫がホールインワンしたり・・・。
14年間おめでとうと縁遠い暮らしをしていた我が家が、去年家を購入しました。
すると、まあ見事におめでとうの嵐。親、親戚、友達、同僚、元同僚、同級生から知り合い、ボランティア仲間まで・・・
他人が家を建てただけなのに「おめでとう」と言ってくれるなんて、あなたが住むわけでもないのに。。ありがたいけれど、14年間シーーーンとした生活を送っていた私は、もうその反応に戸惑い少々。
「新居購入」
一般的にめでたいことと認識しているんですよね。
結婚も出産も、新居購入も、「おめでとう」が言いやすい行事なんですね。
驚いたのが、義母の反応でした。義理の両親と親戚が新居祝いに訪れてくれたとき義母はとても嬉しそうでニコニコ。あんな顔、結婚式以来見たことありません。どんな子でも(あ、)親にとっては自慢の息子、娘。我が子が祝福されるって、親にとっては大変嬉しいものなんだなーって傍で見てて感じました。
これを親孝行というのか・・・って。
我が家は親を喜ばせることを14年間していなかったんですね。他の家には招待されて「新居おめでとう」を言ってきたのでしょう。義母にとってもやっと自分の息子が言われる番になったわけです。
きっと親戚の輪の中では「孫誕生」も同じように集まってお披露目会があったのでしょう。私たちの知らないところで。
そんな「おめでとう」を今回はたくさんいただきまして、なんだかやっと停滞していた人生が1歩進みました。というのは、家の購入って、私の中では結婚して子どもが何人か決まって、子ども部屋の数が決まって、男女なのか、兄弟か姉妹かでも違うからまずは子どもで、そのあとに家を購入という流れのプランがありました。私の20代に描いていた頭の中の普通の幸せ家族の図です。
なのになのに結婚はしたものの、子ども誕生の段階でストップしているから、家購入も同時にストップして、14年も待ちくたびれていたということです。
では、なぜ今、新居購入に踏み切ったかというと、もう、ざっくり言っちゃうと「このまま死ぬかもしれないから」です。いつかいつか子どもができたらなんて言いながら、結局何もせずに死んでいくかもしれないと。
妊娠という曖昧なことを軸にしたばかりに他に影響がいき、おろそかになるのはもうやめよう。。自分の決めたルール、順番、幸せ家族の図はそれはそれであったということで、実際は違うこともあるよね、って思うようにしました。(かなり遅いけど!!)
子どもができたらって話、たくさん抱えてきました。家のことだけじゃありません。
子宮全摘もそうだけど、今私、人生折り返しをしみじみ感じています。。描いていたものを自分自身で書き換えていくことがたくさんあるな〜〜〜。ひとつずつやっていきます。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)