相談室を利用しているクライエントさんの記事が「不妊治療のやめ時を考える」に掲載されました。
不妊治療のやめ時を考える1(産経新聞)
「夫婦6組のうち1組が“治療”経験あり… 「もう無理かもしれない」「でも、あきらめられない…」
不妊治療の末の待望の妊娠。出産後2ヶ月で息子さんを亡くされています。とても辛い経験をされているのに、前に進む行動力があり、明るく素敵なクライエントさん。抱えているものは周りからは見えません。
ご自身の体験を語るのは時に苦痛を伴うこともあります、ですがクライエントさんは、
ひとつのケースとして迷いの最中にいらっしゃる方に何か感じていただければ・・・と言ってくださり、取材依頼をお引き受けくださいました。
この記事を読んでいるどこか遠くの誰かにクライエントさんの言葉が届いていると思います。
相談室を訪れる人の多くは、いくつもの喪失が重なっています。私たちカウンセラーにできることは、なんでしょう。時間を巻き戻すことができればいいのですが。
カウンセラーは、頑張って!と励ますことはありません。
その方に笑顔がひとつ増えて、ふたつ増えて、少しずつ笑顔が多くなっていく未来のために今、どうしたら良いか考えます。どんなことがあったのかを傾聴して、一緒にその人の歩幅で歩くのがカウンセラーだと思っています。これからも真摯に向き合いたいと思います。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)