緑に囲まれた素敵な環境の中にある成城大学。
先日、特別任用准教授の勝又あずさ先生にご縁をいただき、キャリアモデルケーススタディ(全学共通教育科目キャリアデザイン科目)のゲストスピーカーとして登壇しました。晴天で気持ちが良い〜。
この授業は、人生の中で起こる想定外の出来事をどのように乗り越え今に至ったのか、先輩から体験談を聞き、自分のキャリアのヒントにすることを目的としており、私が担当したテーマは「命を考える」。自らの不妊、流死産の体験、そして養子縁組を調べてことで初めて知った乳児院の現状のことをお話しました。
「妊娠のしくみ」として卵子の老化、妊娠のリミットの知識。
いつかは結婚、いつかは子供を産みたいと思う女性は多いけれど、自分の身体を学ぶチャンスは男女ともに少ないですね。女性の卵子は新しく作られることなく老化していきますが、一方で男性の精子は毎日作られ、ゆるやかに老化。この違いを大切にするには、男性の協力が必要です。男女ともに統一した知識を持つことが第一歩。
若い頃、私に足りないものはたくさんありましたが、特に知識と想像力だったな・・・と振り返ります。自分以外の人のこと、全然考えていなかった。20歳前後の学生さんにとって、私の話しの「不妊」はおろか、まず「結婚」もまだという遠い状況なのに、みなさん真剣に聞いてくださり、熱心にメモを取る方もいまして、とてもありがたく思います。ひとりずつ感想を言ってくれて、また私の仕事の糧になりました。
学生さんたちの感想を綴ったファイルをいただきました。(嬉)
教育ってなんでしょう。子供、未成年への教育は大事です。
知識の詰め込み・・・ではないですよね。
特に今、妊娠を望んで苦労している人は、「早く結婚して、早く妊娠トライすれば良かった」「過去に戻れれば・・・」と思うことがあると思います。
今回、授業に関わらせていただき感じたことは、”大人がどうやって伝えていくか”が重要ということ。どんなに大事な知識でも押し付けはいけません。妊娠にはリミットがある、それは事実だけど人生は自由で、彼らのもの。選択は彼らにあります。ただ、「知らなかった」は避けたい。知識があって、どうするかを考える。答えはそれぞれです。私の授業が考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
勝又あずさ先生のキャリアモデルケーススタディの15回プログラムは、学生が自ら考えて学べるように構成されていました。最終的には学んだことをプレゼンテーションして他者に「伝える」までできるようになります。大人がどうやって関わるかによってどんどん成長して変わっていく、素晴らしい現場の一部をのぞかせていただきました。先生&学生さん、ありがとうございました!
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)