本日発売のVERY「家族のコトバ」(2018年10月号)に掲載されました。
はじめに、
私の半生にも渡る話を丁寧に聴いてくださり、時にはボロボロと涙を流してくれたライターの三尋木志保さん。素敵に、そして上手に構成してくれた凄腕編集者の磯野さん。VERYの取材で関わった多くの方に感謝いたします。
この連載は10年以上続いているもので、単行本も発売されています。ピンクの表紙がかわいい。内容は、涙無くしては読めないという評価通り、小児癌のお子さんのお話は悲しすぎてしばらく頭から離れなかったです。
VERYの取材依頼があったとき、突然電話がかかってくるんですけれど、素敵雑誌VERYに驚き嬉しい反面、過去に取材された女性たちのような起承転結のストーリーが私にあるだろうかと迷いました。さらに人生の折々で家族からかけられた「コトバ」と、その家族と写真撮影。3人も・・・。私の家族というとインコ・・・それは冗談ですが最近は「ご飯食べた?」「鳥さーん」としゃべれるようになったけれどVERYなので諦め、人間を探すことに。
どんなコトバが自分の人生に影響を与えたか、勇気もらったか、きっかけになったか・・・じっくり考える良いきっかけになりました。そして夫と義母そして友達のコトバがたくさん浮かんできて、今までいろんな人たちに支えられてきたことにふたたび感謝して思い出してひとり泣いたり、、ふと舞い込んできた取材は自分の気持ちの整理を伴い想像以上にパワーを使うものでした。
そしてファッション誌ということで、たくさんの方の目に止まる。不妊ではない人も、子を亡くしてない人も読む。私の友人知人については、私が不妊を経験して現在カウンセラーをしていることはぼんやりと知っているけれど、当時の状況とか気持ちの部分は詳しく語ってこなかった。そこはこの記事で赤裸々に語ってるのでちょっと恥ずかしいけれど、これが公表ということなのかもしれない。私にとってはまた一皮むけて自分のアイデンティティが表も裏もフラットな状態になったかな。
お母さんは、恥ずかしいと渋ってましたが、夫が「人助けだと思って」と説得してくれました。
小倉智子先生はカウンセラー養成講座の講師。私が妊活で行き詰まっていた35歳の時に出会い、その後の妊娠、死産、ピアカウンセラーの活動開始、この一連の私の寄り道の多い動きを全部見守ってくださっています。
後悔のない人生はない、だけど、ふと自分を責めたり、しこりのようにあの時に戻されてしまうことってあるから・・・小倉先生のコトバは私と同じ経験をしていなくてもどなたかの心に響くかもしれません。
発売日の今日は、偶然にも7回目の娘の命日でもあり誕生日。スタッフさんが自宅に取材に来た時、娘の写真に手をあわせてくださり、久しぶりにたくさんの人に娘が会ったような気持ちになりました。7年目のパパとママをどんな風に空で見ているんだろう。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)