2019年に生後すぐの赤ちゃんを養子として迎え、ずっとずっと始めたかった子育てがスタートしました。
その後、特別養子縁組の届も無事に受理され、戸籍も我が子となり3人家族として日々何気ない幸せを噛み締めて暮らしています。
養子を迎えるまでのストーリーを本にしませんか?とKADOKAWAの編集者さんにお声がけしてもらったのは、赤ちゃんを迎えてすぐの時でした。
まだ社会では稀である特別養子縁組に関心を持ってもらい、嬉しく思いました。戸籍が移り、息子が1歳になった頃から少しずつ自分の過去から遡って書き綴ったものが1冊の本となり、本日発売です。
不妊治療は足掛け10年・・・30代は失った命ばかりで命と向き合うことになりました。
「子どもを育てたい」という願いを自分が産む以外の「特別養子縁組」という制度を利用して叶えた私たち家族のことが、どこかで今悩んでいる人や、特別養子縁組を知らなかったという人に届くと幸いです。
私たちはとても長い時間悩んで2019年の養子を迎えるまでに至っています。血縁のない家族をすんなりと受け入れる・・・それは簡単なものではないことは自分が十分思い知っています。この本は特別養子縁組をおすすめするものではありません。ただ、どんなふうに養子を迎えた家族が暮らしているんだろう、そこまでの葛藤はどんな風に受け入れたんだろう、夫婦でどんな話をしているんだろう、ということが私が養子を考えた時の謎でした。まだ発信する人は少なく、情報がない、家族像が見えてこなかったのです。
子育ての選択肢の一つとして「新しい家族の形」の仲間に入れて考えていただけると本当に嬉しいです。
そして最後に、不妊当事者として不妊カウンセラーという仕事をして自らの体験を発信していますが、もう一つ養子縁組ファミリーの当事者として発信する役割もプラスされたと感じています。
引き続き、困難な状況の子どもたちの問題に目をむけて自分にできることを社会に発信していきたいと思います!
「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」 2020年9月9日発売
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)