今朝飛び込んできたニュースなんですけど、
本当に腹立たしい。
東京都品川区立小学校の男性教諭が1月中旬、担任をしている5年生の理科の授業で「自然分娩(ぶんべん)で子供を産んだ方が、帝王切開で産んだ時よりも親は愛着を抱きやすいという説がある」と発言。
ニュースサイトで読む:毎日新聞
親からのクレームを受けて、品川区教育委員会は「そんな説は確認できていない。不適切な発言で本人も大変反省している」と話した。
で、なんでこんなこと男性教諭が言ったのかというと、
「母親から自然分娩の大変さを繰り返し聞いていたため発言してしまった」と説明。
あっそ。それは、あなたの母親に感謝して終わりでしょ。なんでそれが帝王切開と比較することになるわけ。個人的な根拠のない価値観を、これから妊娠・出産の知識を吸収する段階の小学生に対して言うことの影響力を考えているのですか?これは言ってしまったごめんなさいじゃすまないよ。
まず家に帰って、「お母さん僕・私は自然分娩なの?帝王切開で生まれたの?」って聞くわね。(今回それでバレたわけだけど)小学生の興味関心の第一位は、人間はどうやって生まれたの?死んだらどこに行くの?です。そんな多感な時期に歪んだ情報・・・ああ、心配。
で、クラスには自然分娩派と帝王切開派がクラスに出来て、私は自然分娩だから愛されている〜〜とか、私は帝王切開だから親から愛情が少ないんだ・・・と思いをめぐらせたりするんですよ。大人が聞けば一瞬でバカバカしいと思うような話でも子供にとっては敏感に言葉を捉えてしまう。
まず発言する時には誰のためかを考えなくてはならない、この場合、小学校の授業中なので子供のためではないといけない。
そんなの、どっかのおじさんじゃなくって、小学校の教諭ならわかんだろ!おっと、わかるでしょ!
で、問題はそれだけではなく、その小学生が大人になり、いざ自分が子供を出産するという時に、「私は帝王切開だから赤ちゃんへの愛情が足りないかも」とか不安を持ってしまう可能性が・・・。男性もそうです。奥さんに「帝王切開だから子供をかわいがっていない」とかわけわからない理由で攻めることも考えられます。
これは、長い長い罪です。
妊娠・出産には母乳が良いとか、無痛分娩はダメとか、いろいろ今までもありますが、先生が子供に言うのはほんと勘弁して。
結婚した方がいい。
子供は産んだ方がいい。
兄弟がいた方がいい。
子供は女の子の方がいい。
世の中には妊娠・出産の類のうざい価値観の押し付けが溢れています。。
あ、っそうだ、この前の子供支援のセミナーで豊島区の子ども食堂さんと、キッズドアさんがとっても良いことを言ってました。「お節介(おせっかい)」のある地域のつながりを、と。
お節介とは、「節度のある介入」であると説明。そっか、漢字で書くと一目瞭然!良い言葉!
一見、お節介と思えるこの「結婚した方がいいわよ〜」「子供早く産みなさい〜〜」という言葉は、「価値観の押し付け」以外の何物でもないってこと!
なんでもかんでも首つっこんできて、その人がどんな思いで悩んでいるかなんておかまいなし、好き勝手言うことは、お節介ではない。ただのぐちゃぐちゃにするおばさんってことか。
お節介という言葉を改めてきちんと考えて、「価値観の押し付け」をせず、「節度ある介入」をしていきたいと思いました。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)