去年に引き続き、今年も大学生の授業で講師を務めました。
対象は立正大学心理学部臨床心理学科2年生160名。
内容は、「命を考える」ー命を授かるから、命を失うまで。
妊娠のリミット、卵子の老化、女性の仕事と育児の社会の移り変わり、予期せぬ妊娠、乳児院、私の体験で流産と死産・・・90分です。
最後は、臨床心理士を目指すクラスということもあり、友達に、家族に、もしも予期せぬ出来事が起こった時、みんなならどうやって寄り添うの?寄り添うって何?という話もします。
この授業の翌日、私は引っ越しでした。東京から鎌倉に大移動。引っ越しの荷物を整理していると、結婚した時に夫婦で作った「宝地図ボード」がでてきました。英語を話せるようになりたい、ゴルフ上手くなりたい、湘南に移住したい、などと共にやっぱりあった「子だくさん!」。思いっきり書いてました。
初々しすぎて恥ずかしい・・・。でも夢と希望に満ち溢れてたとんです。笑顔で、あれもこれも楽しいことが待っていると思っていた頃。
かぐや姫の「神田川」という曲が頭のなかでぐるぐるします。
〜若かったあの頃、何も怖くなかった〜〜
そして妊活中の日記。(まだブログとかメジャーじゃなかったから手書きの本当の日記帳)初めて病院に行ったことが書いてました。医師に「ご主人はこの日にしてくださいって言ってできる人?と聞かれた、そんなのわかんないよ」と書いてました。ほんと、そんなのわかんないよね。
人前で、セックスとか、精子とか、そんなワードが飛び交うことにも驚いていた時でした。
二つとも授業で使いましたよー。当事者の気持ちを知ってもらうためには良い題材でした。^^;宝地図は、結婚した時に夫婦で作りましたけど、将来の夢を思って大学生が作ってもいいですよね。大人だって何度も書き直して、作り上げていくものですね。
1975年生まれ。不妊ピア・カウンセラー。「コウノトリこころの相談室」を主宰。28歳に結婚後、妊活をスタート。人工授精、体外受精、10年以上の不妊治療では二度の流産、死産を経験。子宮腺筋症で子宮全摘。44歳で生後5日の養子を迎える。数々のメディアや、大学で講演活動を行うなど、実体験を語っている。これまでの体験を綴ったエッセー、夫婦共著「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」2020年9月出版(KADOKAWA)